soujiの長文用

@souji04261 が140字で足りない時に使います。

数学イベントに関わる上で今後気を付けていきたいこと

昨晩以下のようなツイートをしたところ、まぁ少しだけ伸びた。

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そろそろ(Twitterの仕様上仕方ないけど)文脈も知らない方も出てきそうなので補足をしておきたい。
Twitterをやっていては不可能かもしれないけど、私はポジティブであれネガティブであれ私の意見に対して間違って解釈されたくない。
そしてこのブログを始めたきっかけは、140字で伝えきれないことを伝えるために始めたようなところがあるので。

 

経緯としては、
いきなり上記のようなツイートをしたわけではなく、

知り合いの数学者の方がとある数学イベントに対して述べた意見に対して自分も何か言いたくてつぶやいたものになります。

 

ここ2・3年で数学を扱った一般向けのイベントが増えてきたのは一数学ファンとして非常に嬉しく思っています。
ただし、それに対する数学研究者・数学科の学生・院生の反応は、積極的には関わらないようにする人・その逆、そしてその関わり方も様々です。

多少であれ批判的な立場に立つ人はどのようなことを考えているかというと、それが数学の啓蒙・布教活動として肯定しづらいというのがあると思います。

とくにここ最近増えてきた数学系イベントのいくつかが、
部外者から見れば数学に関わる概念(それこそ例えば素数)を使って盛り上がるばかりで、数学書を読む・セミナーするなどして数学科生っぽい数学への関わり方をしている人からすれば、それは果たして「数学」なのか?と疑問を持ってしまっても仕方ないと思います。
過激には自分たちがやっている数学を軽く扱われていると考えている人もいるかもしれません。

ただし数学者・数学科生であれ人の数学の楽しみ方に口を出すほど傲慢な人は多分(そんなに)いないと思います。
だから積極的に関わらないという態度の人がいるのだと思います。

 

そんな中で私がどう思っているかというと
素数とか関係なく数学で盛り上がること自体は良い
・布教活動を関わる人(特にイベント主催者)はそれ以外にも数学の楽しみ方があることを伝えてほしい
です。

素数のみを指して批判しているわけではありません。
私は大して素数にロマンは感じません(不思議だなとは思う)が、それで普段の証明をするときに困ったりはしません。
でも私の専門分野でも素数は非常に便利な道具なので、たくさん使います。
だから素数をロマンを感じるための数以外の側面も伝えていきたいです。
そしてそれで盛り上がれる・ロマンを感じる人のこと悪くも思っていません。
それを上手く数学活動の使えるのなら、そういう部分がない自分にとっては非常に羨ましいです。

2つ目の主張についてですが、
巷にあるいくつか数学イベントは、外から見ていると(じゃあ口出すなという意見もありそうですが)、どうも数学のかなり狭い楽しみ方しか提供できていないのでは感じています。
もちろん時間・会場・スタッフなどの資源には限界があるので、その中でたくさんの楽しみ方・考え方を伝えるのは難しいと思います。
しかしだからといって、そこを考えることなく盛り上がることに特化するのはまた違う気がする。
そこにどれだけ真摯に向き合うかの姿勢が問われるのは、参加者・プレゼンターなどのコンテンツ提供者ではなく、そのイベントを主催する人たちだと思います。

だから今回のツイートで、今回発端となったイベント・これから開かれるであろうイベントに対してもそうですが、
実際の参加者、そしてプレゼンターといった方を批判する意図は私はありません(そのように捉えてしまって不快に感じさせてしまったのなら本当に申し訳ありません。。。)。
おそらくツイートの発端となった数学者の方もそんな意図はないと思います(ツイート確認済み)。
数学を語る資格は、数学書を読み証明・計算を重ねてきたものだけが持つべきなんて思ってなく、誰だって好きだったら語って良いと思います。
問題はその人たちとどのようにして集客しイベントを作っていくかだと思います。

 

数学に対して、どのように感じるかは人それぞれだと思います。
「数学好きや数学者はこのように感じる」「数学者はこんな人(変わった人)が多い」ということ だけ を前面に出しているようなものが多いのかなと感じています(個人的感想です)。
もし、何も知らない状態の数学の世界に入ってみたいと思った人が初めて見る数学的活動がこれだった場合、そしてそれだけが数学の楽しみ方なんだと誤解してしまった場合を想定すると、私は熱狂的な数学ファンが10人増えていたとしてもあまり良い結果ではないかと思ってしまいます。

私自身、これからいろいろな活動に関わっていくし、私自身でもこれまで同様自分の団体でイベントや勉強会・大人向け数学教室などを運営していきます。
そのときの自分自身の反省も兼ねてこのような発言をしてみました。

数学に関係するイベントは無いよりは有った方が断然良いと思います。
無ければ発展もありませんから。
でもその主催者は、最初は集客で精一杯で仕方がないかもしれませんが、そのイベントに来た人がイベント後にどのように数学に関わってくれたかを考えてみる段階に進んでみてもいいと思います(すでに進んでいる方には申し訳ありません。。。)。

そして、プレゼンターなどのコンテンツ提供者の腕前や思想・考え方にある程度影響されてしまうのも仕方がないと思いますが、それを自身の主催動機に則ってコントロールしてこその主催者であり、そこに主催者としての面白さがあると思います。

朝起きてみたら意外とツイートが伸びていて急きょ書いた記事なので、まとまりがなかったかもしれません。
誤解があるようならまた修正しますが、とりあえずここまでにして公開します。
あくまで特定の個人や団体を意識しての発言でないことは重ねて書いておきます。

交流イベント『YOUは何を知りにその学問へ?』をやってみた!

さる2018年11月25日に私の企画で裏難波大學の部活動の一貫としてとあるイベントを試しに身内だけでやってみました。
その感想を書こうを思っていたのですが、私は非常に筆が遅いので、イベント参加者の1人でライティングが得意な人にアルバイトとして感想文を書いてもらうことにしまいた。
イベント後の二次会も久々の楽しい飲み会で、帰宅した後のお財布の中身に絶望しました。。。
次は今回とは違う人も招いて開催してみたいと考えています。
それでは実際に書いてくれた本編をどうぞ!


本編

こんにちは!学生ライターの「凡さんす」と申します。紛争解決学などを研究している大学4年生です。

先日、当ブログ管理人のsoujiさんが主催する学問系イベント「YOUは何を知りにその学問へ?」に参加させていただいたのですが、この場を借りてその感想を書くことになりました。

結論から言うと、分野を問わず、学問が好きな方には広くオススメできるイベントだったと感じています!

以下で感想を書きますが、次回開催もあるとのことなので、この記事を読んで興味の湧いてきた方は、soujiさんの発信する情報を要チェックです!

それでは、どんなイベントで、どう面白かったのか、具体的に説明していきますね。

※記事は、2分ほどで読み終わります。


イベントの趣旨・流れ

イベントの趣旨を簡単に言うと、

「今自分が専攻している学問分野と自分自身との関わりをお互い紹介し合うことで、学問好きな人同士の交流を図る」

というものです。

※そもそもどういう経緯でこのイベントをすることになったのかについての説明はこちら→面白そうな飲み会のアイデアを出しあうだけの飲み会をやってみた!

次に、イベントの流れですが、各自、以下のような内容を含む最大20分のプレゼンテーションを行います。

 

・自己紹介

・その学問を専攻にした、好きになったきっかけ

・実際に学んでみて、学ぶ前後での自分の中での変化(学ぶ前のイメージとは違ったこと、学んだあとに変わったものの見方・視点などなど)

・これから学んでいきたいこと

・その学部・専攻特有の面白エピソード

 

参加者がプレゼン→質疑応答→次の参加者のプレゼン......という形で人数分発表を行い、最後にフリートークを行って終了しました。

飲食物各自持ち込みでワイワイ。終わった後は自由参加で二次会にも行きました。

個人的な感想

では次に、イベントに参加した感想を簡単に書きます。

前提知識がなくても、お互いのプレゼンを楽しめた!

学問的なイベントには珍しく、聞き手の前提知識の有無が問題になりませんでした。

というのも、あまり小難しい話に立ち入らず、参加者各自がその学問を修める過程で感じた(or感じている)驚きや疑問を、学習者目線で語れたからです。

今回のイベントでは、

・哲学2名

・数学1名

・紛争解決学1名

というバラバラな分野から参加者が集まっており、お互いの学問について殆ど前提知識を持ち合わせていませんでした。

前提知識が無い分野のプレゼンを聞くのは、多くの場合なかなか大変なことです。

しかし、今回のイベントは違いました。

専門分野の解説ではなく、プレゼンターがその学問に触れるきっかけとなったエピソードや、学んでみての感想などがメインとなったため、各分野に関する聞き手の前提知識の有無が、殆ど問題にならなかったのです。

自分の専攻に関わらず、学術的な話に興味がある人であれば誰でも参加できるという点で、非常に良いイベントだったと感じています。

自分の専門外の学問分野について知る良い機会になった!

今回のイベントは、自分の専門外の学問分野について知る良い機会にになりました。

各分野の内容について理解できたわけではありませんが、自分がその分野について誤解していた部分、実態とは異なるイメージを持っていた部分について、プレゼンを聞きながら認識を覆されることが多くありました。

というのも、それぞれの話者が、「その学問を始めるまでに抱いていた印象と、実際学んでみての感想」をお話ししていたからです(参加者全員ではありませんが)。

これによって、「外から見たその学問のイメージと、中に入った後のイメージの違い」が、聞き手にうまく共有されました。

例えば、哲学専攻のYさんは、

 

哲学を勉強する前:本屋さんでよく見る「名言集」に載っているような小難しいフレーズを生み出したり読み解くのが哲学だと思っていた。

哲学を勉強し始めてから:心に響くカッコいいフレーズは重要ではなく、そこに至るまでの論理を重視する学問なのだというイメージを抱いている。

 

というお話をされていました。

このような、「話し手自身が素人だった時から、どのように認識が変わったか」を説明することで、専門知識のない聴衆にもわかりやすく、その学問に対する誤解を解く(?)ことができたのです。

プレゼンイベントにしては、準備がラク

ゼミや学会での発表に限らず、学問系のプレゼンイベントにおいては、複雑な知識を正確に伝達しなければならないため、かなり準備が大変になります。

特に、前提知識のない他分野の人にお話しするとなると、表現を工夫しつつ内容を伝えないといけないため、プレゼンターの負担がかなり重くなるのが常です。

しかし、今回のイベントでは、自分の専門知識を解説するのではなく、自分がやったこと・感じたことについて語ればOKでした。

そのため、みなさん殆どリサーチを行うことなく、面白いプレゼンを仕上げてきていらっしゃいました。

私自身も、普段20分程度の研究報告を行う際にはなんだかんだ10-20時間程度の準備時間をかけていますが、今回は2時間程度で完了しました。

まとめ

以上、「YOUは何を知りにその学問へ?」の内容紹介および感想でした!

総じて、話し手としても、聞き手としても参加のハードルが低く、それでいて知的好奇心を満足させることのできる良いイベントだったと感じています。

1月ごろに新規参加者を交えて再び開催する予定とのことなので、この記事を読んで少しでも「面白そうだな!」と感じた方は、soujiさんのTwitter@souji04261)や裏難波大學のTwitter@UraNambaUni)を要チェックです!!

 

ライターのご紹介

大学4年生です。政治や哲学を中心にブログを書いたり、ドイツ語学習に関するライターしたりしてます。来年秋から、英国エセックス大学の修士課程でシリア内戦の研究する予定です。

Twitter@academicocktail):政治問題や社会問題についての意見、情報収集・発信の過程で得た気づきなどを呟いています。

ブログ「学問のカクテル」:「勉強」や「学問」が好きな方は気に入っていただけると思います。ジャンルは上記。

お仕事の依頼はTwitterかenjoyscholarship@gmail.comまで!

面白そうな飲み会のアイデアを出しあうだけの飲み会をやってみた!

裏難波大學の3大コンテンツの2つ目、大人向け数学教室のHPが完成したことで本格始動させることができました。
1つ目が学問を知ってもらうきっかけ作りのための裏難波大學開講日、
2つ目が(数学とかなり限定的ですが)学問を深く学ぶための教室、
第3が学問をする人たちの交流を目的としたイベント運営です。
第1、第2はある程度金銭が発生するため真剣にやる必要がありますが、第3は私自身が緩く楽しむための活動と私の中で位置づけています。
今現在は週に一回、私の位相空間論・測度論の復習として「代表の数学リハビリ自主ゼミ」と表して緩く、かつツッコミはきつめな自主ゼミをやっています。
交流というほどではないですが、私以外の参加者に特にノルマがないので負担がなく、気軽な質問を受け付けているので数学をベースとして良い雰囲気でゼミは進めていけていると思います。
少なくとも4月から脱退者なく続けていけているのがその証拠かと。

 

しかし、もともとはこれは裏難波大學のコンテンツの1つに含める気がなく、もっと緩く他の学問をやっている人と関われる機会を作れないかと考えていました。
そうなると何かイベントを企画することになるのですが、なかなかいい企画が浮かばない。
せっかく毎週使用できる場所を持ちながらもったいないと思いつつ何か月が過ぎました。
単に飲み会を開けば簡単ですが、それだったら裏難波大學って看板つけてまでやることかいなと。

 

こういう時は素直にみんなに意見を聞いてみようということで
そういった集まりに興味ありそうな友人に声をかけ、アイデアをもらうことにしました。
その「アイデア出し合うこと」そのものが面白い企画になりそうだったので、イベントのアイデアを出し合う飲み会っていうのを2回ほど同じメンバーでやってみました。
アメトーークの企画プレゼン会って楽しいじゃないですか。
あれって気軽に発表しあえてしかも実際に開催しなくてもいいからそこまで肩ひじ張る必要がないのが1つの要素だと思うんですよね。
なので、それを踏まえつつお酒を飲みながら楽しみました。

今回はイベントの様子と2回のイベントででたアイデアとアイデアに対する意見や改善案を紹介します。
そして幸運なことに満場一致でやってみたいと思えるようなアイデアが出ましたので、それについても書きます。

 

イベントの様子


幸いにもこんなフワフワなイベントへの参加者が2人見つかりました。
2人とも現在学生であり、1人は英米哲学・分析哲学専攻の博士課程院生、紛争解決学の学部4年生です。
それぞれの専攻分野は本人たちに聞いてみて(聞き方が悪かったかもしれません。。。)そのまま書いています。
会場はもちろん立ちのみ屋で。スライド写せるし使えるしお酒飲めるし。
イスが4つあるので、私いれて3人だからあと1人くらい参加してくれたらいいなと思っていたのですが、意外と提出されたアイデアの量が多くて、各アイデアに対しての意見も多く3時間のイベント×2回でも時間が足らないくらいでした。
形式としては、アイデアを好きな形式で発表してもらって意見を出すだけ。

そこまで大層なことはしてませんが進行役も私が兼ねました。
そして途中で冷凍ピザ焼き休憩をはさみつつ、思い思いの酒を飲んでました。

 

イデアたち


2回のイベントででたアイデアを1つずつ書いていきます。
特に誰が出したとかは重要でないので載せません。
順不同です(正直どのアイデアがどの順序ででたか忘れちゃいました)。


できれば学問が関係してればいいのですが、それを押し出すとなかなかアイデアが出しづらいと思い、各参加者に要求したのは

  • この立ちのみ屋でできる規模であること、またアルコールを出しても良い(むしろお酒を楽しめるほうが開催場所の利点を活かせていていいかも)
    実際に開催できるか、継続性があるかは無視する
  • 全く知り合いでない人がきても、イベントを趣旨を理解した人ならば楽しめる

くらいでした。要はやってみたいイベント案を出していこうって感じです。
ちなみ没案も各々発表していて、没案は没理由を添えて発表していく感じです。

当日企画を説明したテキトーなスライドは以下のURLから見れます。

やってみたい飲み会イベントの企画プレゼン飲み会 by souji on Prezi

半分徹夜した後くらいのテンションで書いたので、なぜか変な関西弁がでてます。


最強のデートプラン(in大阪)研究会


スライドは以下のURLから。

最強のデート(in大阪)プラン研究会 by souji on Prezi


おそらく誰でも関わったことのある「デート」という行為をテーマにして盛り上がれるかなと考えてみた飲み会。
題材が誰でも見聞きしたことがあるものないかなと考えていてこうなりました。
恋愛工学とか言い出すとちょっぴり胡散臭いし、別に学問チックに扱いたいわけでもない。
というわけでこんな感じになりました。
聴講側からの意見は
・「仮想女子」よりもある芸能人に固定した方が良いのでは?
これは女子の属性によってはある参加者からはイメージのしにくい存在になり議論しにくいのではないかという意見がでました。
例えば仮想女子を社会人1年目とした時、学生からは彼女がどのようなプランを喜ぶかを「すぐには」想像しづらいですよね。
また仮想女子のプロフィールをかなり細かく設定しなければ上手くデートプランをまとめるのも難しそうです。
というわけで、ある程度知名度がある、すなわちWEB上にプロフィールが充実している芸能人ならば議論がしやすくなるのは?という流れになりました。
つまり例えば「石原さとみをデートに誘うなら、こんなプラン!」みたいなのを(デートできるわけもないのに)みんなで考えるわけです。
これならアイデアを出すのも恥ずかしくないし、仮にプランがまとまっても参加者以外に公表しなければ良いだけです。

スライドにも書いてある懸念点ですが、ある程度お酒が入った状態でまとまるのかが心配です。
これは他の企画にも言えることですが、開催会場となるお店が狭いので、ある程度知り合い同士でやった方が議論もやりやすいだろうなとも思います。
特にこういう一歩間違えばセクハラにつながりそうな話題を扱うならば、ある程度は失言も許せるような間柄でやるのが理想かもしれません。

 

仮タイトル:信じる者次第では救われる


要約すると「初対面の人と打ち解けながら、雑学をインプットできる知的ゲームをするイベント」です。
ゲームのルールは以下の通り。発案者が持ってきてくれたプリントをそのままコピペしています。

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参加者の役割(人数)
・司会者(1)、詐欺師(1)、賢人(1)、市民(残り)
イベントの流れ
①司会者がクイズを出す。
②残りの参加者はクイズの答えを10分協議し、回答する。
③クイズに正解したら賢人・市民の勝ち。不正解なら詐欺師の勝ち。
クイズの条件

  • 4択程度の選択問題
  • 論理だけでは答えが導き出せないこと(×論理パズル)
  • 答えが存在すること(×神はいるか?)
  • 予習なしでは誰も知らないようなマニアックな知識が必要であること
  • 論理的にある程度推測が可能であること

クイズ例:平均寿命が最も短い県はどこか?
※詐欺師と賢人は初めからクイズの答えとその理由を知らされている。

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聴講側からの意見は

  • 企画の核となるクイズの問題をどうやって見つけるか
    問題の面白さによってこの企画の内容が変わるがそのような問題を主催者がどれだけ集められるかが鍵かも。クイズ例にあるような問題だと出身地の成育経験などで答えが分かってしまうので、誰しもが想像が付かないような題を出すのが良さそう。都道府県ではなく、例えば世界の国に関するクイズにしておけば全員同じ立場で楽しめそう。そのような良問の設定は発案者が頑張ってくれるらしい。
  • これをアイスブレークに使うのもよさそう
    これだけを何度もやるのも上記にある通り発案者の負担が増えるだけなので、問題数を減らし他の企画と一緒にして、このゲームを間に挟むなどすればちょうど良いアイスブレークになるのでは?
    参加者の1人が最近関わった学会にて似た手法の教育方法を見たことがあるというので、それとも比較することでこのゲームをした時の体験などから何かわかることがあるかもしれない。最初、この企画を聞いたときなるべく知り合いばかりでやった方が面白くなりそうだったが、数問をアイスブレーク感覚でやるのはいいかもしれない。ともかくどのように進行させるかも含めて一度やってみたい。試しに知り合い数人でやってみて、初対面でも盛り上がれそうなら他のイベントでも使用してみたいゲームに思えた。


「○○学入門」入門:哲学編


これは企画名にあるようなテーマのプレゼンを企画発案者が行うイベントです。
スライドではなく企画書のようなものを持ってきて発表してくれたので、それをこちらへコピペします。


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  • 本企画の趣旨
    新たな学びをはじめるとき、まず入門書に手を伸ばすひとは多い(と思う)
    とはいえ、入門書はあくまで入門の時だけ読むものだろう
    そこであえて、様々な学問分野の「入門書」だけに焦点を当て、それを読むことでどのような知見がどれだけ得られるか調べ、その結果をまとめて発表する(今回は哲学)
    → たとえば複数の入門書にまたがって繰り返し書かれていることは(どれだけ)あるか、などなど
  • 入門書と専門書は何が違うのか:入門書の特色
    思想家の内田樹いわく…
    「「専門家のために書かれた解説書」には、「例のほらあれ……参ったよね、あれには(笑)」というような「内輪のパーティ・ギャグ」みたいなことが延々と書いてあって、こちらはその話のどこがおかしいのかさっぱり分からず、知り合いの一人もいないパーティに紛れ込んだようで、身の置きどころがありません。」(内田樹 [2002]、『寝ながら学べる構造主義』、文春新書、p.7)「入門書は専門書よりも「根源的な問い」に出会う確率が高い。…(中略)…「入門書がおもしろい」のは…(中略)…「誰も答えを知らない問い」をめぐって思考し、その問いの下に繰り返し繰り返しアンダーラインを引いてくれるからです。」(ibid., p.11)
    → もしそうならばありがたい話だが、本当にそうなのか?
  • (しばしば主張される)哲学の特異性
    哲学は他の学問のように固有の対象領域(たとえば社会学ならば社会、教育学ならば教育)を持たず、学問に限らない様々な領域で提起された「根源的な問い」を扱う
    → ということは、内田説が仮に正しければ、「哲学入門」では「根源的な問い」のなかのさらに「根源的な問い」に出会える?
  • 発表までの道筋
    日本語で読めて、タイトルが『哲学入門』となっている著作をリストアップし、発表者の独断と偏見によって選ばれた代表的なもの(3~5冊)を読解、分析する
    → おそらく、現在でも容易に入手可能なものを優先することになると思う
  • 発表形態
    基本的にはレクチャー形式だが、ところどころで軽くディスカッションの時間も挟みたい

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聴講側からの意見は

  • プレゼン主体のイベントに寄せた方がいいのでは?
    参加者の1人(というか私)が「裏難波開講日」という、プレゼン主体のイベントを主催してます。プレゼン内容が魅力的なので、45分以上かけてしっかりとした内容にしプレゼンしてもらった方がいいではないかと考えました。当日の全参加者からも「ぜひ聞いてみたい講演」とのことだったので、上記のイベント主催者である私からぜひコンテンツとして提供してほしいと話しました。またプレゼンの内容も哲学の入門ということなので、初学者・興味のある門外漢向けという点でもちょうどよいと考えました。

 

勝手に企業の良いところプレゼン会


スライドは以下のURLから。

勝手に企業の良いところプレゼン会 by souji on Prezi


発案者の考えでは、やはり各自プレゼンを行うのが一番イベントとしては進行がやりやすい。
しかし、プレゼンを全員に用意させるとなると継続性はおろか参加ハードルが高くなり、そもそも一回も開催できなくなってしまう。
またプレゼンの内容によっては一部の参加者がおいてけぼりになるので、満足度もあがりにくい。
誰でも語りやすく、参加者が聞きやすいテーマはないかと考えた結果、これになりました。

 

誰かさんの没ネタ集

没ネタ集 by souji on Prezi


誰かさんが大量に没ネタを考えてくれました。よくもまぁこんなに変なアイデアが出るものです。。。
まぁこういう些細なネタを入れることで発表障壁を下げれるのでそれはそれでいいのではないでしょうか(自己弁護)。

スライド中に没になった理由も超簡単に書いています。

ただいくつか真面目に考えたものもあり、いずれ開催できるチャンスがあればやってみたいものもいくかあります。

 

やらず嫌いが治った話プレゼン会


4と同じく誰もが発表できそうなネタを探して生まれたアイデアです。
食わず嫌いが一番と多いと思いますが、勝手な偏見から避けていたものが好きなった、もしくは受けられるようになった(無視することはなくなった)経験って
誰にもあると思います。
それをネタにしてプレゼンしあう会になります。
出された意見としては

  • ポジティブな結果だけでなくネガティブな結果も発表アリにしてはどうか?
    つまり偏見をなくそうとチャレンジしてみた、やはり偏見通りだったという方向の話もOKということですね。ネタの根幹は変えつつ、発表の敷居が下がりそうだったのでかなり良い意見だったと思います。

 

日本で知名度の低い国をプレゼンしあう会


それぞれが他の参加者も名前を聞いたことないような国について発表するようなイベントです。
国をどのように語るかは発表者にお任せします。
もし、名前も知らなかったような国が意外と日本と関係してる、思いもよらない文化・社会システムを持っていたらと面白いと思います。
出された意見をしては

  • ・テーマをある程度絞った方がいいのでは?
    例えば食文化限定にするとか。それによって発表された国同士を比較しやすく、会自体もまとまりやすくなるのでは?という意見です。
  • 知名度の低い」をしっかりと定義した方がいいのでは?
    これは知名度の低さがその人の知識依存なため、もしかしたら発表者にとってはマイナーでも、発表者以外にとってはメジャーな国な可能性があることを考えたうえでの意見ですね。アイデア提出者曰く、マイナーさを表せるような指標があるということなので、そのような縛りの中でやってみるのは面白いかもしれません。

 

知られざる業界紙・業界新聞を語る会


実は大きな書店に行くと、その業界の人しか読まないであろう定期出版雑誌・新聞などがたくさんあることに驚かされます。
そんな雑誌・新聞を語る会になります。
その業界の中で盛り上がる話題って、外から見るとかなり興味深いことが多かったりしませんか?
そういう話題をたくさん聞けたら楽しいと思います。

 

youは何を知りにその学問へ


イベント名は某テレビ番組のパクリです。インスパイアです。
就職・院進・中退・企業などなど、どのような進路に進んだとしても、大学に進んだ人たちには自分の中で考えて学部を選択したはずです。
それぞれにその学問と関わった経緯があると思うんです。それを参加者全員がプレゼンしあう会になります。
他の参加者がどんな風に学生を過ごしてきたのかもわかり、専攻分野の内容を語ることが目的ではないし
学問をプレゼンに含みますがそれとのかかわりを話すだけだから
本来慎重にならなくてはいけない学問的プレゼンよりも発表障壁はかなり低くなると思います。
そして交流という点でも学問を絡めた長めの自己紹介をする感じなので良いと思いました。

 

実際にやることになったネタ


満場一致で9の「youは何を知りにその学問へ」をやってみたいとなりました。
学問が関わっていることは必ずしも要求はしてなかったのですが、みんないろんな学問に興味がある人ばっかりなので
このネタが採用されました。

なので実際に2018年11月25日にやってみることに。
イデア出しに付き合ってくれた2人に加えて、あと2人分くらいはキャパがあるので募集をかけてみます。

各自用意するものは自己紹介を兼ねた最大20分のプレゼン。
自己紹介に加えて、自分が学んできた学問と自分との関わりを語ってもらいます。
例えば

  • その学問を専攻にした、好きになったきっかけ
  • 実際に学んでみて、学ぶ前後での自分の中での変化
  • 例えば学ぶ前のイメージとは違ったこと、学んだあとに変わったものの見方・視点などなど
  • これから学んでいきたいこと
  • その学部・専攻特有の面白エピソード

を好きな順番、好きな配分で話してもらうといいかもですね。

プレゼンの形式は自由。スライドでも資料配布+スピーチ、スピーチのみなどなど。

参加費は1人500円。飲食は自由で、好きなものを持ち込んでください。立ちのみ屋なのでお酒を持ち込んでもらっても構いません。

学問が好きな人同士の交流を目的にしていて、イベント後は二次会(有志のみ)で飲みに行く感じ(私はこっちがメイン)

もし初回が楽しければ、メンバーを変えつつ定期的に開催していけたらなと考えています。

公理的集合論入門・無限帽子パズルおさらい自主ゼミがやりたい!

2019年の1月、お正月ムードがなくなったあたりから4月まで新たな自主ゼミを立ち上げたいと思っています。
140字だと短すぎるし、固定ツイートは大人向け数学教室の宣伝を置いておきたいので今回はこちらに書いてみます。
今現在、週に一回「素朴集合論位相空間論・測度論」の復習を兼ねた自主ゼミをやっています。
それはあくまで学部までの復習なので、私自身の修士時代の復習を兼ねたゼミをやりたいと考えています。
今回の記事ではその参加者・協力者を募りたいです。

今時点で決まっていること

 

  • 週に一回土日どちらか(できれば立ちのみ屋休みの日曜がいいなぁ)、2~5時間(時間は私の予習の進捗によって変わる)
  • 期間は2019年1月初旬から4月上旬まで
  • 内容
  1. 公理的集合論の入門
    『The Foundations of Mathematics』(Kenneth Kunen)(URLはAmazon CAPTCHA(和訳版 Amazon CAPTCHA)の1~2章を主に進めていきます。
    1章は公理的集合論の入門としてのZFC公理系や順序数・基数・集合論のモデルの話。
    2章は集合論に応用することを前提とした証明論・モデル理論、つまり数理論理学の初歩。
  2. 無限帽子パズルの修士代ゼミのおさらい
    無限帽子パズルについては、過去のこの記事が参考になると思います。

    souji0426.hatenablog.com


    以前に帽子パズルについてプレゼンし、そのスライドと参考文献を載せているので帽子パズルがどのようなものかの参考になるかと。これらの結果に対してきちんと証明を解説していきます。
  • 進め方
    毎回、私が予習をしてきてゼミ発表しますので参加者は聞いて、あれば質問やツッコミを入れまくってください。現在の学部復習ゼミもそのような形式でやっています。2月中旬に私の院試があり、それまでに帽子パズルのおさらいをしておく必要があるので、2月中旬までは主に帽子パズルをメインに進めていき、公理的集合論は進捗があれば進める。院試終了後は公理的集合論の入門に力を入れていきます。
  • 私含めて5人以下ならば今現在の「素朴集合論位相空間論・測度論」復習ゼミと同様になんばの立ちのみ屋でやります。それ以上に参加者希望者が多かった場合はなんば、天王寺、梅田などアクセスの良い場所で会場を探し、そこでやります。その場合、会場費がかかるので参加費を集めます。

 

募集中です!


参加者と協力者を募集しています。もちろん兼務してもらっても大丈夫です。


参加者


前提知識は素朴集合論位相空間論・グラフ理論の基礎です。
ある程度は補足しますが、上記の分野のテキストを全く開いたことのない人には難しいと思います。
公理的集合論寄りの知識、例えば基数不変量など、はもちろん必要な範囲で補足します。


協力者


もし人数が多くなり会場費がかかるようになれば参加費の徴収などを誰かに手伝ってもらいたいです。
またゼミに適する会場の場所をご存知の方からの情報もお待ちしています。
この期間内だけでも毎週決まって長時間利用できると非常に嬉しいです。

 

連絡先


Twitterアカウントお持ちの方は@souji04261まで
DM解放してますのでメッセージを受け取れるようになっています。

Twitterアカウント経由でないほうが良い方は
ura.namba.uni@gmail.com(裏難波大學用メールアドレス)に「公理的集合論入門ゼミについて」を件名にして
参加希望や良い情報を書いて教えてほしいです。
またこのブログへのコメントでも構いませんが上記2つよりも返信は遅れる可能性はあります。

 

参加希望の場合は

お名前(偽名でも可)は書いておいてほしいです。

 

ゼミの目的


上記の「素朴集合論位相空間論・測度論」復習ゼミを通して、ゼミ発表が私にとって非常に理解度があがる勉強の仕方だと分かりました。
2019年に博士課程への進学を考えており、そこまでに修士課程時代にやったことを復習しておく必要があります。
それに向けて一人で勉強しなおすのではなくゼミを開いてみたいと考えました。
なので一番の目的は私の復習になります。
ただしゼミ発表を通して参加者の方のためになるようなるべく証明や解説はしっかりとやっていきます。
現在の「素朴集合論位相空間論・測度論」復習ゼミでも参加者の満足度は高いと思うので、同じように進めていけたらと考えています。
一応裏難波大學の部活動(裏難波大學 | 部活動)の活動に位置づけようと考えていますが、参加者にとって特に何か影響があるわけではないと思います。

副業として大人向け数学教室を一か月やってみて

副業としての大人向け数学教室を始めてから早1か月たちました。
最近なにが本業かも自分の中でもよく分からなくなってきましたが。

私の経験値稼ぎ名目の無料体験授業もいくつかこなし、現在週1,2回ほど教えています。

今回は1か月やってみて、どのようなことでお客さんの数学学習の役に立てるか、どうすれば自分が無理なく続けられるかが少しわかった気がするのでまとめみます。

 

もともとは微積分・線形代数以外の大学以降の数学には対応しないつもりでした。
なぜなら私自身が自専攻以外の数学に対してテキトーなことを教えてくないですし、自専攻以外の専門家を雇うほどの規模にはしないつもりでした。
しかし個人的には大学以降の数学の方が楽しいと思ってますし、それの楽しさに味わってもらう方が良いのではないかとずっと思っていました。

ただ例え微積分であっても60分も講義しようと思えばかなり準備が必要になります。
もし何人ものお客さんを抱えることになれば、私の本来の活動に支障がでてくると考えました。少なくともしばらくは副業でやると決めてます。

 

また以前、数学科でない知り合いに微積分を授業形式で少し教えたことがあるのですが、授業している最中は理解しているかのように見えるんですが、説明した定理を使った別の定理の証明などをやってもらうとまったく進まず困ったことがあります。

教えた数学の定理は理解してもらえたみたいですが、それを使って新しいことを証明したりするという、その後の数学を自身のみで勉強する能力は身につかなかったみたいです。もちろんそれは私の教え方が悪かったのもありますが、やはり授業形式で一方的に教えるだけでは教えたことも初学者の中では活きにくいのかなと思いました。

 

そこで参考にしたのが数学科のセミナー活動です。
数学科以外の方に簡単に説明すると以下のような感じです(裏難波大學数学教室用文章からコピペしました)。

「大学の数学科では大抵3から4年次において学内の研究室に所属しセミナー活動というもので単位をとることが多いです。
その際の指導方法とは各学生に対して教科書ないし論文を指定し、
定期的に研究室に集まり指定された文献を数ページ予習してきて教員含めた複数人の前で発表するというものです。
本来指導を受ける立場である学生が先生役となって、教員やその他の学生・院生の前で授業をするような感じです。
この際、発表役学生の準備とはその文献の読み込みであり、これは単に”読んでくる”だけでなく証明に穴があるもしくは証明が記載されていなければ証明する、必要な補題があれば同文献または他のものから探してきて証明する、具体例が乏しいものは自分で見つけてくるなどかなりのことが要求されます。
それ以外の教員・学生・院生の役割は、発表学生の話す内容を聞いて数学的な間違いはないかを注意深く探し、内容に不明な点があれば例や証明の詳細を要求するなどになります。
特に文献は研究室を持つ教員の専門分野と近いものが選ばれることが多く、教員からの質問・発言が1番に発表学生にとってためになることが多いです。
発表担当学生が準備不足だったり発表内容に当人の誤解が含まれていた場合は1行も進めずに終わることも多々あります。
このセミナーの意義は発表を通して自分で理解できたと思っていたことでも間違っていることに気付いたり、受けた数学的な質問に対して答えようとすることで理解が深まること、聞く側に回った場合でも他者の証明に対して質問し数学的なやりとりをする練習になることです。」

 

この形式で私が指導教員役(つまり聞き役)を、お客様には発表担当学生の役をやってもらえればお客様のより深い理解につながり私自身の準備時間にあたる負担も少なくなります。

 

先ほど述べた通り、お客様の成長具合をどのようにして測るのかも悩んでいましたが、
このセミナーでの発表の仕方や振る舞いなどで(数値化は難しいですが)判断できると考えました。


これによって当教室の目的を単なる「数学の学び直し」から「数学を自学自習できるようになってもらう」に変わりました。
いつまでも分からないことが出るたびにお金を払ってもらうより上記のような能力を身につけ、他の数学学習者と数学的交流がとれるようになることが一番お客様のためになると考えました。

 

しかし、上記にも書いてある通り発表側が数学に慣れていないとセミナーとして成立しにくく、数学科卒だからといって上手くセミナーを進められるとは限らないのでその技術を初学者に求めるのは酷だと思いました。

 

このような方法を思いついた後、実際に微分積分を学んでみたいと申し込みされたお客様(すでに何回か授業済み)にセミナー形式について説明し、上記の手法を取り入れることを了承してもらいました。
そしてまずは素朴集合論セミナーを私が発表側としてやっていくことにしました。
素朴集合論は現代数学を学ぶうえで必須です。
どのような分野に進んでも、素朴集合論で身につけた証明のやり方や知識は必ず役に立ちます。
微分積分セミナーをしてもらうにしても、素朴集合論とその中の証明になれていけば、極限・微分積分などの理論的理解に対する証明もこなしていけると思っています。
これは学部生時代に大学数学の自習で詰まってしまった時の自分がやったことにもつながります。
つまりもう一度、基礎的な数学の定義の理解を深めてきちんと証明できるようにしてきました。
なので数学科卒のセミナーのお手本として、どのように考え、どのように証明を組み立てていくのかを毎回かなりゆっくりじっくりお見せしていってます。
いくつかの証明は宿題として残し、次回の授業で私に対して証明を目の前でやってもらっています。
その中でちょっとずつ助言をしていくことで証明の組み立て方・書き方・発表の進め方を身につけていってもらえればと考えながら進めています。
今後の展望では徐々に発表する比率を変えていき、そのお客様がやりたいと言っている微積分学に必要な知識が揃うのと同時に、先生役を交代できるようにしてきたいです。
仮にある時点でお客様が私を不要と判断して受講を終了したとしても、目標である「数学を自学自習できるようになってもらう」をお客様が体感できたということで良いと考えました。

 

私自身が数学の楽しさに目覚めた素朴集合論を通して、かなりマニアックな需要かもしれませんがしばらくはこのように進めていこうと考えています。
それに素朴集合論から発生する疑問は私自身の専攻分野の公理的集合論にも通ずるところがあるはずですから、発展的な話題も提供できると思っています。

中高の数学をすっとばして、素朴集合論といった数学から学び始めるのはスプートニク・ショックのような結末を迎える心配があるかもしれません。

スプートニク・ショック - Wikipedia

上のリンクの「アメリカ政府の政策変更」の3番を参考に。


しかしそれは公教育としてだからであって、本教室が対象としている数学をじっくり学びなおしたい大人の方に向けてでは経験者が傍についている限りでは十分に効果がでると考えています。
私自身が「高校数学は苦手だったが大学数学から学びなおした(数ⅢCでほぼ0点の私が、なぜ数学を好きになれたか - soujiの長文用)」というような道を歩んできたからこそ、自分と同じような道のりで数学が好きになってもらうこと・そのために自分が意識してきたことを伝えることがすでに大人向けの数学教室が数多ある状況で私がやる意味も出てくるとも思いましたし、今後に活きてくると考えました。

おしまい。

強制法集中講義のため九州初上陸

去る2018年10月29日から11月2日の5日間に九州大学で行われた強制法集中講義を受講してきました。
その感想も含めて日記にような感じで書いてみました。

簡単な告知は下記公式HPからされていて

集中講義 | 九大数理学研究院

担当講師である池上さんのTwitterアカウントにて告知がされており部外者でも参加できるとのことだったので、学生でも研究者でもないし九州いったことないけど自分にとって良い機会だと思ったので受講させてもらいました。

 

以下の要領でまとめてみました。

 

講義内容と参考資料


講義テーマは公理的集合論から強制法となっています。
集合と位相の知識を仮定しており、九州大の生徒は単位もとれるみたいでした。
九州大学の数学科には数理論理学専門の研究者が在籍しておらず、私自身も池上さんが何故九州大学で集中講義なんだろう?と思っていましたが、この大学の数学科の教員の方は持ち回りで1年に一回集中講義を開くことがあり、その際の講師は他大学の教員でもよいという制度があって今回集中講義を開く担当になった九州大学の教員の方が学生時代池上さんと同期ということもあっての今回の講義となったようです。

 

講義形式は主に黒板での板書で、池上さんの手書きノートを元に講義されていました。
手書きノートそのものは公開されてませんが、上記の担当になった教員の方も全コマ参加していたので彼が講義中の黒板を逐一撮影した写真が下記URLにて公開されています。

こちらはリンクを貼ったりしてよいとのことです。
Twitterで宣伝されていたこともあり、初日から結構な数のダウンロードが行われていたらしく担当の方も驚いていました。

九州大学 職員専用ファイル共有システム(Proself) Web公開

 

たしか一定時間は講義するよう上から言われていたようで、それちょうどになるよう5日間で10コマ、1日2コマずつ各参加者の都合に合わせて開かれていました。
ただ4日目に自分以外にもう1人いた部外の方に向けて池上さんの専門的な話が1時間ほど、そして5日目に講義で間に合わなかった強制法の補足があってそれらの板書は全部は公開されていなかったはず。

 

講義の内容としては主に5テーマからなり
1.イントロダクション
2.順序数、基数
3.ZFC、クラス
4.集合論のモデル
5.強制法
です。
3.と4.では配布資料もありました。

それも上記リンクより公開されているはず。

必要な定義・事実を列挙するだけでも時間が足らないような内容なので、いくつかの証明問題は課題として単位が欲しい学生はそれをいくつか解いてレポート提出する感じでした。
ただし仮定している知識が素朴集合論位相空間論だけなので、課題として出される問題はその課題前にある定義を参照すれば解けるような数理論理学の知識が本質的には必要でないものばかりでした。

板書で「課題」と書いてあるのがそれですね。
まぁ数理論理学寄りの研究者がいない数学科の生徒向けに開かれている講義ですので、単位をとってもらおうとするとそうなりますよね。
というかそもそも数理論理学・数学基礎論の専門家が在籍している数学科がそもそもほとんどないんですが。。。
そういう経緯?もあってなかなか九州大学で聞けない内容だからか(それとも単位に飢えた学生が多かったのか)受講生は多かったです。
自分も学部のときに母校で開講されていれば絶対受けに行っただろうなと思います。

 

参考文献は毎度おなじみの下の2冊(とその和訳)です。Amazonのリンク貼っておきます。

・『The Foundations of Mathematics』(Kenneth Kunen)

Amazon CAPTCHA

藤田先生による和訳はこちら

『キューネン数学基礎論講義』(藤田 博司)

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%B3%E6%95%B0%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E8%AB%96%E8%AC%9B%E7%BE%A9-%E3%82%B1%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%B3/dp/4535787484/ref=pd_sim_14_1?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4535787484&pd_rd_r=d2c30cd6-e2eb-11e8-80e0-6bc0e1bf927e&pd_rd_w=pgjNf&pd_rd_wg=bA90M&pf_rd_i=desktop-dp-sims&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_p=b79503b3-46ea-4244-8b06-2f14c40a97b1&pf_rd_r=J6A138HSKDCP3FZ6DHE2&pf_rd_s=desktop-dp-sims&pf_rd_t=40701&psc=1&refRID=J6A138HSKDCP3FZ6DHE2

・『Set Theory』(Kenneth Kunen)

https://www.amazon.co.jp/Set-Theory-Studies-Logic-Mathematical/dp/1848900503/ref=pd_sim_14_36?_encoding=UTF8&pd_rd_i=1848900503&pd_rd_r=e73ebbad-e2eb-11e8-be2f-e763b3493f3b&pd_rd_w=Y933n&pd_rd_wg=DGAiJ&pf_rd_i=desktop-dp-sims&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_p=b79503b3-46ea-4244-8b06-2f14c40a97b1&pf_rd_r=4BF24B4DPWEX352A2HY7&pf_rd_s=desktop-dp-sims&pf_rd_t=40701&psc=1&refRID=4BF24B4DPWEX352A2HY7

同じく藤田先生の和訳はこちら

集合論―独立性証明への案内』(藤田 博司)

https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%86%E5%90%88%E8%AB%96%E2%80%95%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E6%80%A7%E8%A8%BC%E6%98%8E%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%A1%88%E5%86%85-%E3%82%B1%E3%83%8D%E3%82%B9-%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%B3/dp/4535783829

 

ただしこれに沿って講義をしているわけではないのでどちらかというと課題を解くためのヒントといった感じでしょうか。

 

各テーマの内容をもう少しとりあげると
「1.イントロダクション」はこれからどういう話をするかということで強制法を用いた。連続体仮説の否定の無矛盾性証明に至る簡単な歴史の紹介といった感じでした。


「2.順序数、基数」はカントールが順序数・基数を導入した経緯を説明しながら、超限帰納法再帰的定義を扱いつつ順序数・基数を定義していく流れ。今回は数理論理学寄りの知識はなるべく削る予定だったので定義する際にZFCの公理などについてはこの段階では軽く触れる程度(まだ導入してないしね)。


「3.ZFC、クラス」では定義はほとんど板書をせず配布資料を用いての説明重視。簡単な証明などは板書していく感じ。まぁZFCの公理とか等号公理とか推論規則とか書き下すだけで時間かかっちゃいますもんね。あとここらへんは一度学習した人からすると説明してても楽しくないし細かく注意が多いしってことでなるべく省エネでやりたいらしい。内容としては最低限必要な論理学の定義と、ZFCの各公理の紹介、集合論のモデルのV、クラスの扱い方などです。


「4.集合論のモデル」での3.と同様配布資料を配りながらやる感じ。ここで相対化と絶対性、推移モデルなどなど説明。


「5.強制法」は、まず話の流れを説明。モデルの拡大をするさいの注意点(基数を壊さないようにとか)を説明して、強制半順序の定義、具体例、ジェネリックフィルターと基礎モデルとの関係とジェネリック拡大の作り方、強制関係と強制法定理(述べるだけ)実数を増やすための具体的な半順序の説明かな。記入漏れは一杯あると思ってね。

 

その他には2日ほど講義終了後にプラスαの強制法と他の数学との関わりを池上さんの視点で教えてもらうミニ授業がありました。おそらくここらへんは来年2月あたりの自分が勉強しているはず。多分。

 

講義以外の体験記


ここでは単なる旅行記的な感じで書きます。
まずは福岡はおろか九州に行くのがはじめてでした。
意外と都市から九州大学伊都キャンパスって遠いんですね。
1,2泊くらいなら4か月前に初体験したカプセルホテルでのいいんですが、5泊6日なのでビジネスホテルにすることにしました。
幸い天神から少し歩くんですが5泊でかなりお手頃な値段のホテルを運よく見つけたのでそこにしました。
天神から伊都キャンパスへの直行バスがあるので、毎日それに乗って通ってました。片道620円なので5日間で結構お金がかかりました。
ただキャンパスの近くにもネット上では全然宿泊施設ないんですよね。。。調べ方が悪いのかなぁとも思ってます。
バスは大体50分くらいかかるので運よく座れたら予習・復習してた感じですね。
車酔いしやすいタイプなので酔い止めはばっちり準備してました。
大きな橋を渡って綺麗で大きな建物や海を見ながらの通学は楽しかったです。

 

伊都キャンパスはかなり大きいです。
調べたら国内最大みたい。今回の集中講義はウエストっていう建物でやっていたのですが、これも大きい。
この中にいくつの部屋があるんだろうって感じです。
キャンパス内でも高めの建物らしく高階層からの景色は見通しもよかったです。

 

キャンパス以外ではほとんどホテルの中にいました。
飲み歩くのも計画していたのですが、慣れない長い移動(今まで通勤通学で片道1時間超えることって幸運なことになかったし)や講義の復習(主に参考文献読んでニヤニヤしたり簡単な証明をやり直したり)、お店の売り上げ計算したりとで結局一回も飲みに行きませんでした。
一応ホテルの人から情報誌もらったり、ネットでも検索してみたのですが、正直興味がわかず博多らしいものも含めては一切外食せずに帰ってきました。
いつか普通に誰かと旅行に行くことがあればその時は色々と回ってみたいです。
外飲みはしませんでしたが毎日飲酒する私が5日も禁酒するはずもなく毎日1人で部屋飲みしてました。
初日にチューハイロング缶を4本買ってから、これを毎日続けるとかなりお金かかるし飲み残すともったいないことに気付いて、2日目にはウィスキーの700ミリくらいのボトルを買ってきて、毎日炭酸を買ってきて割って飲んでました(まぁ最初の一杯は少し甘い方が嬉しいので結局毎日ロング缶は1本ずつ買ってたんですけど)。
まさかのホテルにグラスが用意されていなくて、部屋にあった湯のみでハイボール作ってました。
使い捨てでグラスとか買えばよかったんですが、アホなので思いつかず、かつめんどくさがりなのでやりませんでした(ほんまそうすればよかった)。
氷もなかったのですが、冷蔵庫はあったので、そこにウィスキーと炭酸を入れておき冷たさは問題ない感じでした。

 

最終日は5日間ほとんど連絡してこなった母親から明太子買って来いとLINEが来たので、博多駅のお土産コーナーで色々と物色してました。
てっきり家で食べるのかと思いきや、後日「じゃこ海老の明太子和え」というメニューになって売られてました。

荷物が重くて、しかも最終日はバスでも電車でも座れずかなり疲れていましたが、次の日にイベントでプレゼンしたかったので、USJへ向かう席近くで騒ぐ大学生(みたいな社会人)集団にイライラしつつ眠い目をこすりながらプレゼン作ってました。
ちなみにそのイベント後に、この5日間で栄養が偏っていたことや疲労から熱出しました(知恵熱ではない)。
これから長期の旅に行くときは健康管理しっかりしないとなぁ。
今回素泊まりパックだったから朝食もついておらず、朝急いでることも多くておにぎりだけで済ますことも多かったのも原因かな。
次は朝食にバイキングが付いているようにして、そこでバランス整えるようにしよう。

ともあれ数学以外ではあまりいいことなかったなぁ。
お店の常連さんにおススメの店とか色々と聞いてたんやけどなぁ。残念。
遊ぶ余裕がなかったのもあると思うのでほんまに次は楽しみたい。

 

勉強になったこと


myグラスを持っていこう!

 


ではなく、ちゃんと書きます。

コーエンの強制法自体はM1の後半でゼミでやってたんです。
一通り証明をやってみたんですが、各行の論理展開は追えても全体として何を示したのかさっぱりでした。
もちろん啓蒙書やたくさんの専門家主催の勉強会などでおおざっぱに何をどうやって示しているのかは説明できるのですが、自分の中のものになった感覚がかなりなく正直外に向けて「強制法を学んだ」とは口が裂けても言えない感じでした。
なので未だに自専攻が集合論である名乗りづらいのは「強制法もきちんと理解してないのに」という後ろめたさがあるからかも。
そのあと帽子パズルという良いテーマを指導教官より与えられそちらはかなり自分の中に染み込んだ気がし、他の集合論的な結果にも興味が沸いたところで学生は終わってしまいました。
集合論を再び学びなおす基礎作りの一貫として、そして自分の復習として今回は遠かったけど九州まで行きました。

 

今回意識したのは証明を追うのではなく(これは一度やっているのだから後の自分に丸投げする)、研究者の口から語られる「数理論理学や強制法の気持ち」のようなものを掴み取ることに集中しました。
一度勉強していたおかげで、どれが非形式的な話題なのかの区別がつき、また出てきた定義のイメージがつかないなんてこともなく、上記のように意識していても証明の論理展開は結構追えました。
今回講義を聞いたことで一層何をどう示しているかが自分の中で明確になった気がします。
そしてどの議論が強制法後半でのどの部分に聞いているのかもじっくり聞けたのも良かったです。

では復習はどうするかというと、ノートをきちんととれているのでそれを元に年末くらいから自主ゼミでも開いてみようかと考えています。
レポート課題としての問題の証明を埋めつつ、主張を述べただけで終わった(そうせざるをえなかった)定理なども証明し確かめながら進める感じで。
来年3月までにかなり強制法の理解が進みそうです。
もともと集合論に興味をもったきっかけになった理論でもあるので、今の時間がある時期を利用して納得いくまでやってみたいと思います。

 

その他勉強になったことたくさんあり、思い出は少なかったですが(毎日ホテルに引きこもっていたし)かなり楽しい旅行になりました。
書き忘れたことたくさんありそうですが、思い出しているといつものように公開が遅くなるのでここらへんで筆を置きます。おしまい。

 

第11回「関西すうがく徒のつどい」に参加・発表してきました!

10月27日とその次の日と「第11回関西すうがく徒のつどい」( https://kansaimath.tenasaku.com/ )(以下、つどい)というイベントに参加してきました。

 

つどいは今回で参加は4回目、発表は2回目です。
発表の1回目はM1のときで公理的集合論入門のようなテーマでした。
少し発展的な話題として和集合公理抜きのZFCの話もしました。
まだまだ発表に不慣れで非常に残念な結果になってしまったのを覚えています。
ここらへんから学問系のプレゼンの作り方が自分の中で変わった気がします。
今回は自分の中でのリベンジとして発表に臨んだつもりです。

 

今回テーマにしたのは自分の中でもやりつくした感のある「無限帽子パズル」です。
タイトルは「無限帽子パズルと選択公理」として選択公理を用いた無限帽子パズルにおける囚人戦略を扱いました。
以下のような順でまとめていきたいと思います。

 

申し込みと準備段階


全ての発表希望者が発表できるわけでなく、他の申し込み者や難易度、分野の重複度合いをみて運営の方が申込者の中から選ぶ方式です。
申し込み時にタイトルだけでなく以下のような情報を明記する必要があります。
・講演の分野
・希望する講演時間
・希望する難易度
・講演不可能な日
・仮定する予備知識
講演する分野については悩みましたが公理的集合論にしておきました。
帽子パズルそのものは単なる論理パズルでしかないのですが、時間に余裕があれば公理的集合論とも絡めた話題を提供したいと考えていたからです。

講演時間は60分に。

特にこれだと受かりやすいということはないでしょうけど、選択公理と絡めた話題を話すなら60分でも十分だと判断しました。
また日ごろ60分でプレゼンすることが多いのでこれだとプレゼン作成時に時間配分などで悩むことも少ないだろうと考えました。

希望する難易度とは以前の会より発表者自身が難易度を自己申告するシステムになっており、A枠が大学高学年以上向けの必要知識多め、B枠が高校生から大学1、2年向けの2つのどちらかを選びます。
これは運営側の難易度調整を簡単にするためだと思われます。
今回の自分の発表では公理的集合論よりの内容は紹介するだけで、証明などはしないつもりでした(というか60分だと難しい)。
なので選択公理を使った証明をいくつか見せるだけなら(説明の上手さにもよるでしょうけど)とB枠にしました。
他の希望者とのバランス調整が目的だと思うのでB枠にしたから受かりやすいとかそういうのはないと思います。

講演不可能な日は、イベント2日目である28日から九州へ向けて出発する予定だったので、大事をとって1日目を希望し2日目は一応不可能としておきました。
もし1日目希望者多数だった場合は落ちてたかもしれません(実際にどれくらいの応募があったのかとか知らないですけど)。

仮定する予備知識は、かなり細かく書くよう指定されていました。
過去にその人の基準で「大学1年程度」と書き一般的な大学1年生にとってちんぷんかんぷんな発表があったのかもしれないし、自分も過去の講演で似たような結末になってしまいましたしね。。。
なので今回は自分でも細かく書きました。
素朴集合論の中から、集合・写像二項関係・同値関係・商集合・濃度・選択公理
グラフ理論の中から、有向グラフの定義とその用語
としました。
実は順序対とか整列順序関係とかもあったけど(忘れてましたすみません)。

これらを書いてアブストラクトと共に9月8日に提出しました。
そのあと運営さんより講演当確メールが来てプレゼンスライドを作り始めました。

 

今回もプレゼンはpreziを使って作成。
これでもう20個くらい作っていたのでかなり使い慣れてきました。
ただし、これも持つ機能を使い過ぎると単に驚かせるだけのプレゼンになってしまって
聴講者の頭に内容が入りづらくなるので、いつものようになるべく紙芝居っぽくなるよう意識しました。

 

いつもなら特に聴講者を呼んでのリハーサルなどはしませんが今回は気合が違うので
1週間前に一度毎週日曜にやっている数学自主ゼミの参加者の方がたにお願いしリハーサル発表させてもらいました。
これが自分の今までのプレゼンの中でもかなりの大失敗。。。
まず時間が大幅に足りなかったし、なぜかスライドが途中で動かなくなるし。
ちなみスライドが動かなくなったのはあまりにも容量の大きなスライドを作ってしまったからっぽいです。
紙芝居感を出すための同じページを何度も張り付けたり入れ子にしていたらかなり重くなっていたみたいです。
まぁ作っている途中でもときどきflash playerが止まってしまうくらいでしたし。

そして60分を超えたのは公理的集合論寄りの発展的な話題に時間をかけたからでした。
もともとの選択公理とは少し離れてしまう話だったのもあり大きくカットすることにしました。
それによって説明する前提知識も減らせたので今から考えるとかなり良かったです。
また聞いてくれた方たちから分かりにくかった点などを聞き、その部分には例えを盛り込むなどして膨らませました。
あとスライド内のデザインが統一されていなかったため色の使い方を一新しました。

 

完成したのがこちら。

http://prezi.com/ex2iphtqlcck/?utm_campaign=share&utm_medium=copy&rc=ex0share

めちゃくちゃ容量が大きいわけでないのですが、速度制限などを気にする方はWi-Fi接続時に見てもらえればいいかと。

実は本番前に2か所誤字脱字が見つかっていて1つは修正しましたがもう一つはまだ残っています。
P^{FE}と書きたいところでP_{FE}になっています。
preziはあまり学問的なプレゼンに向いてない理由の一つに打てる数学記号の少なさがあります。
なので自分はlatexでスライドを作りPDF化してpreziにアップロードして数式を見せれるようにしています。
なので数式部分を修正するには、この作業をやらないといけないわけですがまぁめんどい(だったらpreziとか使わずスライドそのままでええやんというは置いといて)。
もしどこかでこのプレゼンを再びやることになれば直します。。。

あとは個人リハーサルを何度かやって本番に臨みました。

 

発表について


発表は個人的には100点満点中50点です。
理由は時間が足りませんでした。

60分に収めるのは当たり前なのでそれをオーバーはしなかったのですが途中時間が足りないことに気付き(これを気付くのも遅かった。。。)、順次発言型パズル(階段っぽいやつ)の部分で、かなり急ぎ足になり証明も飛ばしてしまいました。
時間オーバーは自分の中で0点と決めているので、赤点にはなりませんでしたがやる予定の範囲内が収まらなかったのは非常に残念です。

 

対策としては質問は最後まで我慢してもらうようアナウンスするか(その代わり隙の無い内容にする)、途中で質問されることも込みで、時間を減らすことでしょうか。60分ならば自分の余裕も込めて45分くらいで作っておくといいかもしれません。

 

しかし懇親会や講演の間の休み時間などでいろんな方から分かりやすかったというご意見をいただけたので、B枠としての発表しては(個人的にですが)良い出来だったと思います。

 

また集合論を勉強していたり、帽子パズルを過去に見たことがある人たちからもたくさん質問がもらえました。
ところどころに集合論の中のワード、filterとかideal、連続体仮説、従属選択公理などなどを入れておいたおかげで、そこについての話題も個別に提供できました。
またやはり連続体仮説が登場すると聴講者の反応が良かったのでまた機会があればこの話題に絞りA枠にて「無限帽子パズルと連続体仮説」みたいなプレゼンをするのも楽しそうです。
ただ基数不変量の話も入るからまた時間足りなくなさそうですけど。

まぁやることになったら考えましょう。

 

発表以外のイベントについて


このイベントってオフ会に近いです。
始めて参加したときはTwitterをやっていなかったから知り合いもほとんどいなかったし、当時の自分にとっては各講演が難しくてあまり参加した意義がなかったのですが、
会を追うごとに私のことを知ってくれている人が増えて話せることも多くなりました。
また各講演にもある程度ついていけるようになり、他の参加者とも数学的な議論ができるくらいにはなったので、自身の成長がわかるいい機会になっています。

 

階段型パズルのまだ特徴的なpredictorの存在を証明できてない囚人数・帽子の色数をまとめた図を発表中に載せましたが、それの有限人・有限色に対する解を聴講者の方(とくに帽子パズル専門でない)に教えてもらえました。
有限な帽子の色の集合を整数の剰余群と同一視する考え方は何度かしているのに、私自身思いついておらず相変わらず思い込みが激しいなと。
ともあれ発表して、その発表を聞いた方から建設的な意見をもらうという良い経験ができました。
実はもう1つ助言っぽいものをもらっているので上手く証明できたらなとチャレンジ中です。

 

今回特に学生でない人と話す機会が多かったのですが、大抵立ちのみ屋のこととか聞かれました笑
まぁ今時点での私の属性の一つでもあるし、プロフィールにも書いてるし当然っちゃ当然。
ただ今は前と違って学問的要素無しの単なる立ちのみ屋( ウキウキ )なので、自分としてはその属性があることを学問的な場所ではあまり主張してないつもり。
「それについて話したくないから・お店に来てほしくないから」ではなく「数学活動に関係ないから・学問的なサービスがないから」なので、お酒好きな人は大好きですしそんな方はいつでもお気軽にどうぞ。
来年の4月までは週に4日は私が担当になっていますし、私が担当の時が来店したいなら事前に来店したい日の担当を私に聞いてもらっても構いません。

 

補足と参考文献


先にも書いた通り発表時間が足りず、後半の証明はかなりざっくりしたものになってしまいました。
発表スライドの中にも証明が載っている参考文献をあげていますし、Twitterにも書いたのですが情報列挙には向かないと思うので(だからこそブログ始めたわけで)ここにも載せておきます。

 

Amazon CAPTCHA

日本語で無限帽子パズルについて取り上げている本はこの一冊のみです。

他の帽子パズルについても載っているので日本語でどんなパズルか知りたい方にはこちらが一番いいと思います。

簡単な証明も載っていますので、興味をもつきっかけになれば幸いです。

 

The Mathematics of Coordinated Inference - A Study of Generalized Hat Problems | Christopher S. Hardin | Springer

現存する無限帽子パズル唯一のテキストです。これの出版以前の無限帽子パズルの結果が用語を統一しながら証明も含めて紹介されています。私のM2ゼミでの主要文献にもなっていたことから発表中の用語でも主にこちらを参考にしてます。公理的集合論的な知識を要求されますが、パズルの結果を見ているだけでも楽しいかもです。

 

https://www.cs.umd.edu/~gasarch/TOPICS/hats/infinite-hats-and-ac.pdf

上記のテキストの作者2人が書いた無限帽子パズルの入門的PDF。今回の発表の半分の結果はこちらに載っています。また発表中はかなりのスピードで終わらせてしまった選択公理・従属選択公理が関わる結果についても軽く触れられているので興味ある方は是非。きちんとした証明は上記テキストに載っています。

 

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1988-04.pdf

私の修士論文をとある査読無し論文誌に載せてもらったもの。謝辞の有無しか差がないので修士論文と同一視してもらえば。2つ目のテーマである階段型パズルと選択公理について扱った論文の拡張結果についてはこちらを。

 

発表中には論文提出以降に思いついた結果も含まれていたのですが、それらについては今後帽子パズルについてまとめたノートを作成中ですので気長にお待ちいただければと思います。現在上記テキストの3分の2までの内容を含んだところまで完成しております。完成は来年2月を予定しています。理由はいずれ。


あと当日のTwitterの実況を見てて思ったことを捕捉すると、発表中「帽子パズル界隈」といかにもそのようなコミュニティがあるかのように言ってました。
例えば「finite error predictorの存在定理は無限帽子パズル界の中でも最もポピュラーな結果」みたいなことを話しちゃったかと。
ただ私自身もどれくらいの数学者が取り組んでいるか不明ですし、日本でも自分以外には指導教官を除き見たことがないので、結構「帽子パズル界」と「自分の中」を同一視してることがあります笑。
まぁ要は勉強する人増えたらいいねってことです笑

 

懇親会で集合論を学んでる学生の方とも話したのですが、無限帽子パズルの良いところは、集合論をやってない人が集合論の応用例としての帽子パズルを見せることで、集合論の面白さを伝えるための良いコンテンツになるかもという期待があるところだと。
どうしても集合論の面白い話題を紹介するためには、集合論の中の他の数学ではあまり使わないようなものを話してから紹介しなくてはいけないかもしれませんが、帽子パズルそのものに興味を持ってもらえれば、公理的集合論の話題を散りばめつつ話を進められるので、良いとっかかりになりそうです。
なのでこれからも色々なところで布教しつつ、集合論本体も勉強していきたいと思いました。
おそらく集合論のことが分かればわかるほど新しい帽子パズルの結果をどんどん生み出せていけそうですし、それと並行してこれからも帽子パズル関連の論文には目を通していけたらと考えています。

これまではあくまで既存のパズルの結果の拡張しかできなかったですが、自分で新しいパズルを定義して「そのパズルに対し良い性質を持つpredicotrの存在を示すには集合論のこんな結果が利用するよ」みたいな話ができるようになっていきたいです。

自分が数学から少し離れている間に帽子パズル関連の論文もたくさんでているみたいなので、趣味として追いつくためにも、無限帽子パズルの論文を私が読んでいくような自主ゼミを始めてみようとも計画中です。
おそらく裏難波大學主催という形をとり、いつものように少人数でものんびりやっていくと思うので、またきまればアナウンスさせてもらいます。

 

今回発表者としての視点が多めになってしまいましたが、これから数学を勉強したくて数学を一緒にやる仲間を見つかる・自大学にはない数学を知るには非常に良い機会だと思います。

別にTwitterアカウントがなくとも参加できますので、興味を持った方は気軽に参加してみるといいと思います。

あと閉会式で学生(特に学部生)の運営メンバーが足りてないとのことなので、もしこういったイベントに運営側として参加してみたい方は是非!

 

これ書いているの11月5日なんですよね。。。

つどい2日目の10月28日のイベント終了後に九州へ向かい5日間の集中講義を楽しんできました。

行きの新幹線でさっさとこの記事書こうと思っていたのに、忙しかったため後回しにしていたお店の売り上げ計算の事務処理的なものに追われ、九州では集合論が楽し過ぎてブログのことはすっかり忘れていて、帰りの新幹線ではその翌日に控えたイベントのプレゼンを作ったりとなかなか書けませんでした。

相変わらず筆(タイピング)が遅く、下書きは溜まっていく一方ですが、今後も色々と書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。