soujiの長文用

@souji04261 が140字で足りない時に使います。

大人向け数学教室を始めてから半年経ちました。

2018年9月より副業として始めた大人向け数学教室が、この記事を書いている2019年3月あたりで半年が経ちました。

じゃあなんで投稿が5月になっているのとかは聞いちゃダメです。
始めたキッカケや以前の途中経過などは以下の記事を参考にどうぞ。

souji0426.hatenablog.com

souji0426.hatenablog.com

 

当初2019年4月までに、すなわち博士課程に進学するまでに、この数学教室での月あたりの平均収入を自分自身のお小遣いくらいにするのを自分の中での小目標にしていました。ここでいう小遣いは4万くらいで、交際費・交通費・酒代・散髪代・服代などが含まれます。でもほとんどお酒代ですね。。。20歳になってから医者に止められない限りは毎日飲んでいるので生活の一部になっています。


小目標を達成できたので自分の中での振り返りや今後のことも考えたりするために記事を書くことにしました。公開しない下書きばかり増えている状況ですが久しぶりにきちんと書き上げて推敲して公開してみます。


大人向け数学教室の需要が増えているのか減っているのかは定かではありませんが、このような仕事にお客さん側・教えてみたい側として興味ある方は多いと思うので、この記事が少しでも参考になればと思います。法人化されている大人向け数学教室は多いですが、そこでの就業体験やお客様の詳細な感想などはあまり検索しても出てこない(守秘義務?)ので、自分がやっているのはあくまで個人的なバイトといった感じなのでどこまでみなさんの参考になるか分かりませんが、書いてみることにしました。

 

以下のような内容でまとめてみます。


今現在の状態


今現在1時間3000円で教えています。
これは私の自宅を使用した場合で、ここ以外の場所ならばそこまでの私の交通費・そこまでにかかるざっくりとした時間給などが発生します。ざっくりとした時間給とは例えば私の用事の帰り道の途中の駅近くなら0円だったりします。そこらへんは私のスケジュールによって様々です。


基本的には毎回の授業時に私とお客様のスケジュールを照らし合わせて、こちらはなるべく時間がかからないように、お客様からはなるべく経費がかからないように提案しています。


今現在週に3から4回教えているので私のお小遣い(主に飲み代)としては十分です。
始めた当初は授業場所の候補は営業時間外の両親の立ちのみ屋か、コワーキングスペースや喫茶店に出向くの2つしかありませんでしたが、2019年1月より私の自宅の空き部屋が使えるようになったので、お客様さえ良ければなるべくそこへ来ていただくようにしています。

 

申し込みから初回授業までの進め方は副業開始当初から変わっていません。
まずはHP上の記載項目に沿ってメールを送信していただいて予定を合わせて、そのあと1時間ほどカウンセリングをして目的や興味を確認して、後日無料体験授業60分を一度やってみるという流れです。最初はなるべく体験授業までもっていこうとしていたのですが、回数を重ねるうちにカウンセリングの段階で申込者様の希望とこちらが提供できるものが一致していないことを説明して体験授業までいかないことも増えてきました。また私のコミュニケーション能力が低いこともあるのですが、メールの段階で意思疎通が難しい場合もあってメールの段階でお断りしたことも何件かありました。。。

しかし徐々に自分が自信を持ってサービスできること・苦手としていることが具体的になってきましたし、お小遣い稼ぎとしては効率よく・ストレス少なめで働けていると思っています。

個々の事例


ここでは今現在、4回以上継続的に授業を受けて頂いていたお客様の中でいくつかの事例を簡単に紹介したいと思います。ある程度の回数の授業を受けて頂いたお客様には謝礼をお渡しして感想文などを書いてもらっていますので、それと合わせて私視点で書いてみます。順番に特に意味はありません。

お客様側の感想一覧はこちらです。

お客様の声一覧 | 裏難波大學

年齢・性別の組み合わせでどの事例がどの感想文なのかは判定できると思います。

50代・男性


一番最初のお客様でゆえに今現在一番多くの授業をしています。
当初は高校数学、とくに微分積分を学びたいと聞いていましたが、2回ほど授業をしたさいに微分積分の計算ができるようになるというよりは微分積分を理論として理解したいという動機であることが分かったので方針を変えました。
冒頭に載せた記事でも書いた通りお客様の理解力をこちらが把握し、そのうえで効率の良い進め方として数学科のセミナー形式を提案しました。
なのでお客様の合意を得て、まずは現代数学の共通言語、そして基礎である素朴集合論を私が講義形式で教えました。多くの教科書と同じように「集合」「写像」「二項関係」「集合族」とテーマ順に進めていき、その中で宿題として証明問題を出し授業開始時にその宿題の証明を私に見せてもらいながら、数学的内容を人と共有するためにはどのように議論を進めればよいのか・どのようにテキストに書いてある証明を読んでいけばよいかなど、(自分の中でも当然試行錯誤中ですが)数学の勉強の仕方を教えているといった形に落ち着きました。


そしてある程度回数を重ねたあたりからお客様が証明を組み立てることができるようになったと感じたので、相談のうえ素朴集合論の一つのテーマ「濃度」に入ってからは授業する役を交代しました。今は毎回お客様と同じテキストを用意して予習してきてもらい、私に対して予習してきたことを発表してもらっています。
微分積分を理解するのに素朴集合論が必要かどうかは人によって議論するところでしょうが、大学数学科初学年のつまづきどころ、ε-δ論法が理論の理解には付いて回るので、そこでお客様に楽しみながらそのハードルを越えて頂くための最短ルートであると思いました。もちろん素朴集合論も全てやるわけでなく、解析学のテキストで要求されそうなものを取捨選択したつもりです。


今のところこの形式での進め方にお客様も満足して頂いているようです。
「教えられるくらいになれば理解は進む」とよく言われますが、今のところ2人ともそれは体感しています。そういった現代数学の基礎の触れていることによってお客様も当初の微分積分以外にも様々なテーマに興味を持っているようです。なので「濃度」が終わった後、どのように進めるかはまた相談すると思います。
もしかしたら自分自身で数学書を読み進めれるようになったことで、そこで教室に通うことを終了するかもしれませんが、私の目標はそこにある、つまり「お客様が独立して数学を学べるようになる」が目標だったので、私としては喜ぶべき結果の一例になります。

40代・男性


最初にプレゼンイベント「裏難波大學開講日」に来て頂き、そこから数学教室に通うことになったお客様です。このイベントに参加される前から大学以降の数学への興味はお持ちでした。そこから「ガロア理論」を学びたいということでしたので、まずはそれに必要な基礎知識の習得・証明能力をあげることを目標としています。
上記の事例と同じく素朴集合論から進めて、ある段階で代数学の教科書に移りたいと考えています。
私自身ガロア理論は専門でもないし大学の授業で受けただけで教えることは難しいので、1.のお客様同様ある程度の段階で生徒・講師の立場を逆転させ一緒に勉強していく形に変えていければと考えています。


当時私が出身大学へ毎週行く用事があり、お客様はその大学近くでお仕事をされているということで、私のその用事に合わせて大学近くのファミレスで毎回1時間授業をしていました。その際は小さなホワイトボードを持参して教えています。
2019年2月よりお客様がご自身の用事で忙しくなったことと私がその大学へ行かなくなったので今現在授業は停止していますが、4月より私がその大学に進学することになっているので再開させるかもしれません。

20代男性


2018年11月時点での申込者の学びたいテーマが大学以降の数学に偏っており中学・高校数学を教える経験を積んでおきたいと4回分の授業を無料にしたモニターを期間限定で募集しました。その中から募集していただいたお客様の1人です。


お客様の申し込み時点での理解力を見て、相談のうえテキストを選定し高校数学を、お客様が教えてほしいと言った単元優先で授業形式で教えました。
しかし教えていきながら情報を集める中で、中学・高校数学を教えてくれる良いコンテンツは世の中にたくさんあって、経験不足な自分が授業形式で教えるよりはその情報へのアクセスだけ教えて質問だけ受け付ける形でも良いのかなと思いました。
私が経験不足と自認している理由として、数学科では教員免許のための授業を一切受講しなかったし、中高生を教えるような塾講師のバイトも1年間しか続けませんでした。
よって一般的な数学科生よりも高校以前の数学を教える経験・知識が不足しており、また。以下の記事に書いた通り大学受験をしていないことで一般的な数学科生よりも高校数学の経験値が不足しています。

 

souji0426.hatenablog.com

 

その苦手意識に向き合うためにもと始めたモニター募集だったのですが、上記のように考えてしまったのと、お客様も自身の苦手意識から高校数学を選択していましたが、素朴集合論へ興味を持ったことから、4回の無料授業を終わった後からは素朴集合論に切り替え上記のお客様と同様の形式で進めることにしました。
ただ素朴集合論を学んだ後どのような現代数学に進むのかは具体的には決まっていないので、授業をしながら色々なテーマを提示して何かに興味をもってもらえるよう努めていこうと考えています。また高校数学はお客様ご自身で自習することになりましたが、共通のテキストを持っているのでこれ以降もそのテキスト関連の質問は受け付けており、数学の難しさ・学年によってコースを分けていないことを活かして色々な質問に柔軟に対応していきたいと考えています。

10代男性


2019年4月で2年になる高校生です。希望内容はもちろん高校数学です。
申込者はその叔父様でした。副業開始時点で全く予想しなかった申し込みだったので当初はかなり悩みました。なぜ「大人向け」にしたかというと塾講師経験(短かったですが)から自分が被保護者のような児童を教えるのは難しいと考えていたからです。
難しい理由として支払い一回に対して、生徒とその保護者の2人を満足させなければいけないことです。もちろんがそれが塾の仕事であると思いますが、私自身両親の立ちのみ屋の仕事を手伝う中でなぜストレス少なく仕事できるのかを考えたとき、お店にきたお客様に飲料料理提供しそれに満足したならば代金をいただくだけというシンプルさにあると思いました。もちろんシンプルだからといって儲かるわけではないですが。。。

申し込み者である叔父様が数学に対して理解があり、目的は成績アップよりも「数学を専門に勉強している人の傍に置くことで何かしら彼の見識が広がれば」ということでした。またこのブログなどの私が発信している情報も見て頂いていたようで、その上での依頼ということだったので引き受けました。


思春期の難しい時期の教育に一切詳しくない私が対応できるのか不安でしたが、今のところ2週に1回私の家に来てもらって1時間本人が提案した単元(主に学校の授業の復習)を一緒に勉強しています。
その叔父様の方は裏難波大學の勉強会に参加して頂いていたので、その勉強会後にたまに振り返りなどをしながらご両親や本人の反応を確認しながら進めてきました。
私自身を指名しての依頼で、さらに見知った相手だったので他のお客様と同じように対応できているわけですが、今後、中学生・高校生を教えることはなるべく避けると思います。


ちなみに最初は私に教わるより予備校といった高校数学専門の講師がいるような塾に行くこともおススメしましたが、当人や通学先の学校を理由として、予備校などに通うのが難しい事情も聞いていたので私も何か手伝えないかとやる気になりました。
ですが本人のことも考えてなるべく早く大学受験専門の家庭教師なり予備校・塾なりに通うことを勧めています。

30代女性


IT系エンジニア職につく方で、趣味と実益を兼ねて大阪大学の一般公開している「暗号理論」の授業(というより講座かな)を受けているとのことでした。
もちろん暗号理論は私の専門でもないし、私の学部・院ではその授業もありませんでした。ただカウンセリングをする中で、講座を受けているので授業が必要というよりは授業で分からなかったことの復習に付き合ってほしいということでした。
主に分からない内容について詳しく聞いていくと、暗号理論はもとより代数学での用語や数学でよく使う言葉などが分からないために講座の内容についていきにくいとのことでした。
なのでその講義資料を参考にして、他のお客様と同じように現代数学は素朴集合論を用いて記述されていることが多いことを説明し、まずは集合・写像二項関係の解説をすることにしました。
2か月間ほど週に1回ペースで授業を行い、一応この3月で授業は終了することにしました。理由としては、先述した講座と仕事が忙しくなり時間がとりづらくなったことと、以降の学習に対しての目標の具体化をお願いしたからです。
暗号理論は当然分野として幅広く、それぞれの暗号でも使用する数学概念は様々だと思います。カウンセリングの中で「無期限に暗号理論について幅広く勉強していきたい」というよりは「ある時期までに特定の暗号技術を実装・それに関するライブラリを使用できるようになる、そして応用力をあげるために理論面での理解をしておきたい」
が目標であるご本人から聞くことができました。
しかし、その「特定の暗号技術」が3月時点ではご本人の中で定まっていない状況だったので、今後の授業を効率的に進めるためにも、4月以降はその講座に集中することにして、大きな暗号理論の中のどの部分をゴールにするかを定めてもらうことしました。
3月半ばの授業を最後に授業は休止していますが、半年後に講座が終わるので、そのあとに再開させる可能性があります。


授業する場所は私の自宅でも難波の立ちのみ屋でもなく、大体が本町にあるコワーキングスペースでした。平日のお客様の仕事終わりに教えることが多くお互いにアクセスが良い場所ということでお客様が普段利用されているこちらを提案して頂きました。
暗号理論は私自身も興味があったので一緒に学んでいきたいですし、かつお客様にとって今後のための経験になるよう努めていきたいと思います。

 


今後の目標や方針・感想・振り返りなどなど

今後の目標


まずは今後の目標から。
先に書いた通り、お小遣い稼ぎとしては満足しています。
しかし今後の不安定な学生生活のことを考えると、より安定性はあげていきたいです。
じっくりしっかりとお客様と信頼関係を作りながら3年後には自分の中でのより大きな収入源にできればと考えています。学生生活が終わった後、どうするかはまだ考えがまとまっていませんが、今のところ他の講師を雇ったり法人化したりは考えていません。
起業するのは簡単ですが、私自身がこの職業での起業に特に興味を持っていないからです。少ないサラリーマン経験から、人に働いてもらうこと・複数の人をまとめて1つの目的に向かわせることなどの難しさを感じたので、起業するにしてももう少し実力をつけていきたいと思います。
また今程度の売り上げならば法人化するメリットもあまりないと思います。
起業が目的になって中身がおろそかになってもつまらないですし。

今後の方針について


今のところお客様からは高い評価を頂いていると思います。
まだお1人しか数学科セミナーっぽい形式、つまり生徒と先生役を入れ替えた発表形式、に到達していませんが、他のお客様も徐々にその段階に進んでいくでしょうし、より面白い数学を一緒に勉強していきたいです。


この記事を執筆(ブログを書く行為は「執筆」でいいのでしょうか?)している時点で、ここまで教えた時間数(大体70時間)と数学教室に関係した活動、HPやこういったブログ執筆、カウンセリングや体験授業も含む、を数えると100時間を軽く超えていました。最初に数学教室の基本料金を設定するときに、「こんな素人に他の数学教室と同じような料金を設定するのは申し訳ない」と「1人でやっているから企業と比べてサービスの点では劣る」といった点から、3000円という控えめな設定にしました。
しかし1つの経験不足からの配慮は、100時間を超えたことによって、もうする必要はないと思いましたし、学習場所としての選択肢も立ちのみ屋だけから私の自宅など選択肢が増やせたことによって、最初よりは改善できてきたと思います。
なのでこの2019年4月より、基本料金を4500円にあげることに決めました。

それに合わせてHPも更新しました。

数学教室 | 裏難波大學


自分の周りにいる経営者・社会人歴が長い方々に基本料金に関して相談した時、ほぼ全員から「安すぎる」と言われていました。
経営者目線から「安ければ逆にサービスに対して不安を持たれてしまう」という意見が多かったです。確かに自分だって中古ゲームをAmazonで買う時にあまりに他のゲームに比べて安いものがあれば購入は避けて、大体真ん中くらいの値段のものを買います。
それは事実最安値のゲームを買ったときに動作不良を起こした経験が多かったからです。前職の自社の主力商品の値段を3桁万円から4桁にあげたら契約数が上がったという話もそれに通じているところがあるんでしょう。
なので業界内の平均料金から安いのも、あまり良いことはないなと思っていたのでこれを機にあげたいと思います。

料金をあげることは上記の考えから予定していましたが、料金の上げ幅・上げる時期について数学教室開始時には未定でした。その際にもう1つの助言として「料金改定(上げる下げる・頻度関係なく)をすることはあまり良くない」というものもありました。
それもそれぞれの経営経験からの助言で、自分にとって非常に納得できるものでした。
なのでこの4500円という料金設定は同じように自分1人で法人化もせずやっていく中では変えないようにします。つまり私が博士課程学生の間は変化はしないです。
料金以外については今まで通りでやっていこうと思います。

 

ただ最近、学問的なサービスの価格ってどれくらいなんだろう?という疑問がずっとあります。つまりこの1時間4500円も高いのか安いのか適正なのか自分でも分かりません。一応業界の価格に比べて安いので値上げすることにしましたが、そもそも業界内の値段ですら正しいのかどうかも自分には分かりません。。。
数学教室に限らず、これから様々な学問が関わるような催しを開いていきたいんですが、その時も参加費とかとりますよね。たとえこちらが生活に不自由がなくともボランティアでやるのはダメだというのは分かってるんですが、じゃあいくらがいいのか?については答えがでないままです。
もし適正価格というものが存在しそれだけの収入で足りなければ、案件数を増やすか、別の仕事にも手を出すなどで補えばいいと思うので「数学を教えること」の値段が低くてもこちらとしては問題ないのです。ただ適正価格を知りたい。
なのでこれまで同様色々なイベントや勉強会を運営したり、他のイベントに参加したりしながら自分なりの基準、人に説明しても納得してもらえるような基準を作っていければと考えています。

 

感想について


始めた当初は「本当にお客さんがきてくれるのかな???」と心配だらけでした。
しかし体験授業に進むか、もっと言えば継続的に通っていただけるかは難しいですが、メールはたくさん頂いていてうれしい限りです。

また最近様々な数学関係者の方がこの活動を暖かく見守っていただいていると知りました。私よりもはるかに経験豊富な数学関係者から応援・支持してもらえるのは、こうして自分が数学に対して感じたことを発信し続けていて、かつそれに対して全部でなくてもある程度・少しくらいは共感・理解してもらえているからだと考えています。


今回は開始から半年くらいという節目なのでこのような記事を書きましたが、裏難波大學の他の活動も含め今後も気付いたこと・考えたこと・感じたことなどは(執筆スピードは非常に遅いんですけど)公開していきたいと思います。
また活動を続けていけば、専門家・非専門家関わらず、批判や意見など様々なことがあるかもしれませんが、なるべく悪いことは起こらないよう、また起こっても適切に対応できるよう努めていきたいと思います。

 

そしてこういった活動を通して、自分の数学に関する能力もまた一段とあがったように思います。昔から一人で証明していくことはまだなんとかなっても(なっていると思っていても)、人と数学に関する議論をすることに非常に苦手意識がありました。
もちろん、裏難波大學の活動を通してたくさんの自主ゼミや勉強会・プレゼンをやってきたのも関係しているでしょうけど、とくに数学教室の中で生徒さんが何で悩んでいるかをくみ取っていく中で少しずつ出来るようになってきたのかなと。

 

他にもたくさんの数学教室がある中で料金の安さ以外にどう差別化するかを考えてきました。大学から本格的に数学を学びだして、自分一人で、他の大学生のように周りに数学好き(ここではあえて未定義にしておく)がたくさんいるような状況でなかった(Twitterで数学関係者と絡んだりし始めるのも3回生になってからでした)中で、数学を学ぶことに対して向き合ってきた経験を何とか形にできないかと。
ちなみにそのような状況だったことに対して何もネガティブに考えているわけではありません。そのような大学に入ったのもそこまでの自分の実力だったわけだし、総合的に見れば自分のような「のんびりマイペース」な人間にとっては良かったと思っています。お客さんはおそらく自分と同じような状況・立場からスタートするわけで、そういう点からも自分にとって今の教え方・サービスなどは向いているような気がします。
もちろん他の数学教室にそのような人もたくさんいて、同じような形式での対応もしているとは思うのですが、なにせ所属講師に関してはその経歴・専門分野くらいしかわからず、授業風景の詳細も講師が何を考えて授業しているのかも(私の調べ方が悪い可能性大)正直見えてこないです。いや、あるにはあるけど1つの授業に対してのお客様と講師双方の意見ってのがなかったかな。多分法人化されてるからゆえにコンプライアンス的に講師が外に発信できることも限られているのかも。
※ここに引用した感想文は公開することの了承は得ております。

 

まとめ


博士課程に進学するまでになんとかお小遣いくらいは稼げるようになっておきたいと始めた大人向け数学教室ですが、ある程度自身の専門性を活かせていて、個人的な副業ゆえにお客様と近い距離感で授業を進めていけるので非常にやりやすいです。

 

講師として同じようなことを始めてみたい人に言えることは、個人・どこかの企業でのバイト・正社員、とちらも一長一短だと思います(当たり障りのない意見でごめんなさい。。。)。個人ならお客様や仕事を選んだりできる分、HP作成から宣伝まで自分一人でやっていかなくてはいけません。


雇われ系ならば、そういったことがない分授業に集中できると思います。
自分は最初いくつかの有名どころの数学教室のバイトの面接に行ってみて、自分にとって働きにくいなと感じる部分(環境・業務内容・契約内容などなど)があったので1人で全部やってみることにしました。今の時代、HPを作るのも発信するのも非常にやりやすくなっているので自分のような低ITスキルでもなんとかなっています。
あと大手ではどのくらいお客様をお断りできるのかは分かりませんが、個人ならばそれが可能です。大手の面接で聞いた話では、毎回教科書などを開いたりせずただただ数学専門家とおしゃべりしたいだけのお客様がいたそうです。たしかに私はお客様を選べるほど金銭的余裕があるわけではないです。そしてただおしゃべりするだけでよいならば、つまり授業準備などが必要でないならば、かなり楽な(違う意味で難しそうですが)案件だと思います。しかし私が現在欲しいのは「自分が数学を独学できるようになった体験をサービスに変換する技術」、そしてその技術の習得に対して試行錯誤した経験です。まだ背負っているものが少ないうちに(せいぜい自分のお小遣い程度で済んでいる間に)、そのことを優先したいと考えていますので、上記の理由も添えたうえでそういったお客様はお断りすることが1度だけありました。
上記の1件と、コミュニケーションがとれない以外の理由でお断りしたことはありません。
私がお断りするならばこのような理由になりますが、どうにも対応しづらいという時に断れるのが、贅沢な言い方ですがお客様を選択できるのが個人でやるメリットでしょうか。

 

生徒として興味のある方へ言えることは、他の数学教室に比べて講師の数が少ない分、というか私一人ですし、教えることができる数学の幅は非常に狭いです。
また世間的に流行っている学問に用いられる数学に詳しいわけでもありません。
私が提供できるのは、自分なりに試行錯誤して身に着けた(まだまだ改良中ですが)「数学書の読み方」や「数学の証明を他の人と共有する方法」です。
これが身につけば、私に教えてもらわなくとも一人で数学書を読んでいけるようになっているだろうし、仮に数学書を読んでいてわからないところがあっても、2つ目の能力によって私よりも詳しい専門家がいる勉強会に参加して分からない箇所を消化していけると思っています。
そういう状態になれば「1人で数学ができる」と言っても良いでしょうし、私はそれを目標にして授業やゼミを構築していければと思っています。
なので今時点での勉強歴に関係なく「現代数学」を趣味としてじっくりと始めてみたい方や、ご自身で勉強してみたい数学の分野が明確に定まっているがその基礎つくりをどこから始めればよいか分からない方などがこちらが想定する1番良い相乗効果を生み出せそうなお客様だと思っています。
もちろん、算数・中学高校数学の復習なども具体的な目標(この参考書を読み進めたいとか資格取得のためのテキスト通読など)を定めた上であればなるべく協力できるように努めていきますので、まずは気軽にメールを送ってもらえればと思います。


私もまだまだ勉強不足なことがたくさんあります。
数学の小さな1分野においても「はっきりと理解した」なんて言えるようにはなれない気がします。なのである程度節度を持ちつつも、先生・生徒という堅苦しい関係でなく、一緒に勉強する友達のようになれたらと思います。

 

まだまだ始めたばっかりで、本当の難しさのようなものはここから出てくるのかもしれません。
ここまでがラッキーパンチの可能性もありますから。
なので振り返りや反省も含めて今後も記事を書いていきたいと思います。