soujiの長文用

@souji04261 が140字で足りない時に使います。

1年間立ちのみ屋で数学自主ゼミをやってみた

2018年の4月より1年くらいかけて(途中私の祖母の入院とかなんやらで2か月くらいのお休み期間があったはず)
位相空間論・測度論の復習自主ゼミを裏難波大學主催という形でやってきました。
当初はそういう団体名もなかったのであくまで個人的な活動って位置づけでしたが、途中からそういう形に変えました(宣伝もしやすい)。

 

1年間のまとめ


最初は私のTwitterアカウントにて募集をかけました。
上級者だけでも、初級者だけでもつまらないのでいい感じのバランスで集まらないかなと密かに期待していましたが、見事に思惑通りに。
ゼミをする場所としては、最初なんらかの会議室やコワーキングスペースを借りてやることも検討しましたが、
あくまで私の復習に付き合ってもらっているだけので参加費をとるのも悪いなぁ、でも会場費くらいはもらわないと継続的にやっていけないなぁとも思っていました。
数学の自主ゼミって継続的にやらないと効果が薄いんですよね。。。
どうしても期間が開くと人間忘れちゃうし、そうなると毎回復習にある程度時間がとられてしまう。
こういう活動をやっていると、申請さえすれば(部屋次第では申請なしで)使える講義室がたくさんある「大学」って環境ってすごく良いものなんだなと実感します。
その折に両親が経営する立ちのみ屋さんを手伝うことになり、その営業時間外でも経営に支障がなければ使えることになりました。
そしてその店舗でイベントをすることもあって、そのために椅子やホワイトボードを置けることになり、参加者を少なくすれば、参加費なんか頂かなくとも継続的に開催できるのでは考えました。

なので4人の応募があったのでそれで募集は締め切って、このメンバーで継続的に続けていくことにしました。
うち2人が知り合いで2人とも数学的な議論に慣れているのでゼミが迷走しづらいという点ですごく心強かったです。
もう2人はまったくの知らない方で、事前に数学科出身でないとは聞いていました。
このメンツだと当初の思惑通りといった感じでしたが、蓋を開けてみると数学科出身ではないもののそれぞれご自身の専門があってそういった方に興味を持ってもらえたのは2018年の中でも運が良い出来事だったと思います。

そもそもなぜ位相空間論・測度論をテーマにしたかというと、2018年、つまり退職してから博士課程進学を意識していたので、サラリーマン生活の中で忘れてしまっているように見えた数学の基礎的事項や証明の進め方などを進学までに取り戻しておきたいと思っていたからです。

テキストしては、見知らぬ相手にテキストを買わせることに抵抗があったので、PDFをネットで探すことにしました。
幾何学入門』というタイトルのPDFなんですが、2019年現在も更新が続けられていて内容も変わっています。
昔は位相空間論の内容もふんだんに盛り込まれていたのですが、久しぶりにURLから見に行くと素朴集合論だけになってました。。。
そのようなタイトルでしたが、幾何学に向けた話はテキトーに飛ばしてこちらが知りたいテーマだけやっていく形にしました。
記法や証明への慣れのことも考えて素朴集合論から始めることにして、それは大体1か月半くらいで終わらせ、そこから距離空間位相空間へ進みました。
毎回2時間から長いときは3時間くらいやっていたのですが、位相空間論が終わったのは2019年2月くらいになってしまいました。
しかも分離公理や連結については飛ばしてしまいました。
測度論からは『ルベーグ積分入門』(吉田 伸生  遊星社)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B0%E7%A9%8D%E5%88%86%E5%85%A5%E9%96%80%E2%80%95%E4%BD%BF%E3%81%86%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E6%BC%94%E7%BF%92-%E5%90%89%E7%94%B0-%E4%BC%B8%E7%94%9F/dp/4434078755/ref=la_B004BDJY5O_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1555200561&sr=1-1

を使うことにしました。さすがにこの頃はテキストを買うお願いもしやすくなってましたし(強制もしてないです)、ネット上のPDFはたとえ専門家が書いていたとしても信頼度は下がると考えていて、
そこを疑って読む労力を無くすため(良いPDFを見つけることができなかったんです。。。)測度論からはテキストをベースにすることにしました。

振り返り


良かったことを中心にまとめてみました。
・発表者を自分に固定したこと
自主ゼミって私の経験上大抵空中分解するんですよね。。。。
継続するのが難しい理由として、コンテンツ、すなわちこの場合だとキチンとしたゼミ発表を毎回用意することが難しい点にあります。
もし全員の数学に関する知識や能力が同じくらいならば発表者を毎回変えることで負担を減らしたりもできるんですが、今回は自分に負担があるのも覚悟の上で、というより自分の復習がこちら側のメインの目的なんだから、発表は全て私に固定することにしました(まぁ当時無職の私の一番時間的余裕があったんですけど。。。)。
ともあれ私の身が空いているならば毎回開くことが出来ましたし、そのおかげである程度質を維持しつつここまで続けてくることができました。

 

・少人数で進めたこと
自主ゼミを継続するのが難しいもう1つの理由として、場所や時間の確保です。
同じ大学の学生同士ならば場所に困ることも、ある程度生活リズムが似ていることもあって時間を確保するのもやりやすいと思います。
しかし、1人でも非学生、社会人を混ぜて、一般の貸しスペースを使うとなるとかなり難易度が上がります。
今回の人数ならば立ちのみ屋に座ってギリギリ入る人数でした。
なのでこれ以上の人数では場所や時間に悩むことなく続けてくることは出来なかったと思います。

当初知らなかったんですけど、TwitterのDMってLINEのようにグループを作ったりできたんですね。なので連絡手段はそれを使っていました。
4人だと話題も流れていきにくいしちょうど良かったと思っています。
またこれくらいの人数だと(数値化は難しいですが)仲良くなるのも早かったと思います。
そして特に後半にはそれぞれ意見を出し合ったり、数学以外の話で盛り上がったりと自主ゼミ以外の面でも楽しい勉強会になったと思います。
あとは夏ごろに私が「関西すうがく徒のつどい」で発表することがあって、そのプレゼンリハーサルに付き合ってもらえたりしました。
プレゼンの質が向上したのは、このリハーサルあってのことだと思っています(本番自分のせいで結構失敗しちゃったんですけど)。

あんまり良かった点ばかり挙げていては良い振り返りとはいえませんけど、この活動に関しては悪かった点はなかったと思っています。
うーん、しいて挙げるならば、もう少し資料作りとか頑張れた気がしますが、それをやってゼミの内容が薄くなっては本末転倒なので、これくらいで良かったかなと。

 

今後の展望


とくにめちゃくちゃゆっくり進んだわけではなかったんですが(なんだったら年末も長時間やったりしましたし)、測度論にはほとんど手が付けられませんでした。
進学してすぐは私も忙しいので一度休止して、こちらの週間スケジュールが把握出来たら、4月後半からでも再開させようかと思っていましたが、意外と自分の研究以外の用事も忙しく、同様の形式では少なくとも春学期は続けていくことが難しそうでした。
もちろん私が率先して発表する形式でなければ続けていけそうでしたが、私以外の参加者も発表を義務付けられないからこそ(つまり自身の時間が空いている限り)参加していただいたので今さらその形式を崩すわけにもいかず。。。
もちろん他の発表者を探してくることも考えたのですが、それも(今時点での自分では)難しそうだったので諦めました。
なので裏難波大學の活動としての自主ゼミは4月で一度休止することにしました。
数学以外の単に主催・運営するだけの(つまり私がコンテンツを提供しない)イベントを優先してやっていこうと思っています。
そして他のイベントも徐々に省エネ化していき、研究生活のペースもつかめてきたならば(そういう風になるんですかね???)、また再開していきたいと思います。

もちろん測度論から再開して、より発展的な内容に踏み込めるような、そして継続的に開催していけるような自主ゼミにしたいです。

 

最後に何枚かスマホに勉強会の写真が残っていたので張り付けておきます。

この写真とかは進捗報告を兼ねて裏難波大學Twitterアカウント(https://twitter.com/UraNambaUni)から発信していたものの一部です。

f:id:souji0426:20190506190647j:plain

f:id:souji0426:20190506190643j:plain