soujiの長文用

@souji04261 が140字で足りない時に使います。

数学イベントに関わる上で今後気を付けていきたいこと

昨晩以下のようなツイートをしたところ、まぁ少しだけ伸びた。

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そろそろ(Twitterの仕様上仕方ないけど)文脈も知らない方も出てきそうなので補足をしておきたい。
Twitterをやっていては不可能かもしれないけど、私はポジティブであれネガティブであれ私の意見に対して間違って解釈されたくない。
そしてこのブログを始めたきっかけは、140字で伝えきれないことを伝えるために始めたようなところがあるので。

 

経緯としては、
いきなり上記のようなツイートをしたわけではなく、

知り合いの数学者の方がとある数学イベントに対して述べた意見に対して自分も何か言いたくてつぶやいたものになります。

 

ここ2・3年で数学を扱った一般向けのイベントが増えてきたのは一数学ファンとして非常に嬉しく思っています。
ただし、それに対する数学研究者・数学科の学生・院生の反応は、積極的には関わらないようにする人・その逆、そしてその関わり方も様々です。

多少であれ批判的な立場に立つ人はどのようなことを考えているかというと、それが数学の啓蒙・布教活動として肯定しづらいというのがあると思います。

とくにここ最近増えてきた数学系イベントのいくつかが、
部外者から見れば数学に関わる概念(それこそ例えば素数)を使って盛り上がるばかりで、数学書を読む・セミナーするなどして数学科生っぽい数学への関わり方をしている人からすれば、それは果たして「数学」なのか?と疑問を持ってしまっても仕方ないと思います。
過激には自分たちがやっている数学を軽く扱われていると考えている人もいるかもしれません。

ただし数学者・数学科生であれ人の数学の楽しみ方に口を出すほど傲慢な人は多分(そんなに)いないと思います。
だから積極的に関わらないという態度の人がいるのだと思います。

 

そんな中で私がどう思っているかというと
素数とか関係なく数学で盛り上がること自体は良い
・布教活動を関わる人(特にイベント主催者)はそれ以外にも数学の楽しみ方があることを伝えてほしい
です。

素数のみを指して批判しているわけではありません。
私は大して素数にロマンは感じません(不思議だなとは思う)が、それで普段の証明をするときに困ったりはしません。
でも私の専門分野でも素数は非常に便利な道具なので、たくさん使います。
だから素数をロマンを感じるための数以外の側面も伝えていきたいです。
そしてそれで盛り上がれる・ロマンを感じる人のこと悪くも思っていません。
それを上手く数学活動の使えるのなら、そういう部分がない自分にとっては非常に羨ましいです。

2つ目の主張についてですが、
巷にあるいくつか数学イベントは、外から見ていると(じゃあ口出すなという意見もありそうですが)、どうも数学のかなり狭い楽しみ方しか提供できていないのでは感じています。
もちろん時間・会場・スタッフなどの資源には限界があるので、その中でたくさんの楽しみ方・考え方を伝えるのは難しいと思います。
しかしだからといって、そこを考えることなく盛り上がることに特化するのはまた違う気がする。
そこにどれだけ真摯に向き合うかの姿勢が問われるのは、参加者・プレゼンターなどのコンテンツ提供者ではなく、そのイベントを主催する人たちだと思います。

だから今回のツイートで、今回発端となったイベント・これから開かれるであろうイベントに対してもそうですが、
実際の参加者、そしてプレゼンターといった方を批判する意図は私はありません(そのように捉えてしまって不快に感じさせてしまったのなら本当に申し訳ありません。。。)。
おそらくツイートの発端となった数学者の方もそんな意図はないと思います(ツイート確認済み)。
数学を語る資格は、数学書を読み証明・計算を重ねてきたものだけが持つべきなんて思ってなく、誰だって好きだったら語って良いと思います。
問題はその人たちとどのようにして集客しイベントを作っていくかだと思います。

 

数学に対して、どのように感じるかは人それぞれだと思います。
「数学好きや数学者はこのように感じる」「数学者はこんな人(変わった人)が多い」ということ だけ を前面に出しているようなものが多いのかなと感じています(個人的感想です)。
もし、何も知らない状態の数学の世界に入ってみたいと思った人が初めて見る数学的活動がこれだった場合、そしてそれだけが数学の楽しみ方なんだと誤解してしまった場合を想定すると、私は熱狂的な数学ファンが10人増えていたとしてもあまり良い結果ではないかと思ってしまいます。

私自身、これからいろいろな活動に関わっていくし、私自身でもこれまで同様自分の団体でイベントや勉強会・大人向け数学教室などを運営していきます。
そのときの自分自身の反省も兼ねてこのような発言をしてみました。

数学に関係するイベントは無いよりは有った方が断然良いと思います。
無ければ発展もありませんから。
でもその主催者は、最初は集客で精一杯で仕方がないかもしれませんが、そのイベントに来た人がイベント後にどのように数学に関わってくれたかを考えてみる段階に進んでみてもいいと思います(すでに進んでいる方には申し訳ありません。。。)。

そして、プレゼンターなどのコンテンツ提供者の腕前や思想・考え方にある程度影響されてしまうのも仕方がないと思いますが、それを自身の主催動機に則ってコントロールしてこその主催者であり、そこに主催者としての面白さがあると思います。

朝起きてみたら意外とツイートが伸びていて急きょ書いた記事なので、まとまりがなかったかもしれません。
誤解があるようならまた修正しますが、とりあえずここまでにして公開します。
あくまで特定の個人や団体を意識しての発言でないことは重ねて書いておきます。